江戸の職人経済

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屋根職人

屋根職人とは、屋根葺きの職人です。つまり屋根のカバー部分を担当する職人のこと。

大工は棟上まででおしまい。屋根は柱が渡してあるだけで雨はそのまま中に入ってきます。
そこで何かを使ってカバーしなければ家にはなりません。そのカバーすることを「葺く」と表現します。

何を使って葺くかと言えば、草、板、檜皮、瓦、銅瓦、を使って葺きます。そのほかにも多くの材料が使われていたようですが、この5種類が代表的なもの。
草で葺くのが「草葺」で、それに使う草として「茅」が一番多く、茅葺き屋根が江戸時代の農家の絵などに一番出てきます。
そしてもう少し安く上げるには? 藁を使った藁葺屋根もありました。藁葺きには米藁と麦藁があります。このような材質の選択は、価格というよりも、その現場の近くで何が取れたか・・によるわけで、入手しやすいものを使うことが一番経済的だったことも確かです。今でも建築材料の価格の大きな部分は、運賃ですからね。

板葺の場合は杉板が使われました。それも杉の表皮を30cmくらいの大きさに切って使ったようで、非常に対候性に優れた屋根材です。
現在でもカナダの山小屋(シーダーハウス)などで使われ、独特の雰囲気を醸し出していますね。
杉の表皮よりも少ないですが、檜の表皮を使った檜皮葺もありました。

屋根葺きに使われる釘は鉄ではなく竹。それも女竹から作られる竹釘だったようです。
なぜ女竹でなければダメだったのか、長い経験からそうなったものでしょうが、科学的に分析すれば、その合理性が掴めるかも知れませんね。

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