江戸の職人経済

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団扇職人

団扇(うちわ)とは、「打ち羽」からきた言葉。
日本の夏の必需品であり、扇子よりも安価で誰でも購入できるハンディな空冷器です。

解説には「半ばは柄となし、半ばは細く割りて糸を以って編みて骨となし、紙を貼りて風を招く」と実にうまい記述があるようです。

江戸の「東団扇」に使う竹は、箱根、または房州(千葉県)から切り出された竹を使います。
柄と細く割いた部分の分かれる所に穴を開け、そこに弓となる竹を通して、その両端を糸で縛りその糸に割いた細い竹部を編み広げ、その上に紙で挟むように貼って、淵を円く切り、その淵に薄い髪を張って団扇が出来上がります。

江戸時代、この竹を割る職人、弓を通し糸を張る職人、紙を貼り仕上げる職人と、分業になっていたようで、このような分業制度によって経済効果を出していたようです。

21世紀の今、団扇は竹ではなくプラスティックの柄と骨に、ビニール掛けした紙を貼って、大量生産で作られています。何となく重く、腰のない団扇。
それでも団扇です。日本にしかない空冷器。今も作られているのは、やはり便利だから。
安物をさらに安く作るのが技術改革などとは思いたくありませんけど。

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