江戸の職人経済

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扇子職人

日本の演芸、「落語」「芸者」「日本舞踊」「歌舞伎」などに切っても切れない小道具。それが扇子です。
または時として武術の緊急時の武器にもなったような・・・

もともとの目的は「暑中に冷を取る携帯品」ですが、さまざまなシーンで感情の伝達に使う小道具として、オールシーズンに使われたもの。
その扇子を作る職人が扇子職、あるいは「扇師(おおぎし)」と呼ばれる職人です。

作り方は結構複雑です。先ず和紙2枚を張り合わせ、乾燥させてから木製の扇綿型を当てて切り出します。
それから、切り出した面に「絵」「模様」「書」などを書きます。
そして折れスジを付けるために、あらかじめ折れスジの付いた型紙2枚に切り出し絵などを描いた紙を挟んで折れスジを付けます。
そして、あらかじめ作成しておいた中骨(薄い木の板、または竹の板で、紙の部分は細く要の方は幅広)を切り出した扇型の紙の貼り合わせた間に、竹べらで端を剥がして差し込みます。この時木の板側に糊をつけておきます。木の板は、紙の折りスジの間に、その数だけ差込みます。

それから折り曲げ、それを型に入れて糊を乾かします。
両端に添える親骨で、折り曲げた紙を挟み、長さを揃えて要(かなめ)部分を切り揃えます。そしてもとの部分に要(かなめ)を打ち込んで締めます。

このように、作るのに大変手間のかかる扇子なのです。

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