江戸の職人経済

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綿打職人

生活必需品として寝具などがありますが、それに欠かせないものが綿(わた)です。
綿は製糸して木綿の布にもなります。
綿打職は、種を除いただけの未精錬のくわ(糸へんに桑)綿を綿打弓ではじき、不純物を取ってやわらかくする職人のこと。

綿打弓とは、檜で作った弓に鯨の筋で作られた弦を張ったものです。
それを正面に立てた竹に吊るして、左手で弓の柄を握り、右手で槌を持ち、弦をくわ綿に付けて槌で弦をはじき、振動で不純物を浮き上がらせて取り除き、柔らかくする作業です。

綿の細かい繊維が鼻とか口に入り、身体を壊す人も多く、決して楽な作業とは言えなかったようです。
図の手前の女の人は、今戸焼きの器に精錬された真綿をかぶせて引き伸ばし、使用する形状に整形しています。

この綿花は日本で栽培した綿花ですが、明治になって自動織機が動くようになると、インド綿が主流になっていきます。堅く腰のあるインド綿の糸でないと自動織機に掛けることができず、堅いインド綿は綿打弓では精錬出来ないため、やがてこの職はなくなってしまいました。

柔らかく、肌にやさしい日本の綿。もう一度栽培して現代の新しい服飾に使ってみたいものですね。

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