江戸の職人経済

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蒔絵師

木工細工できれいに仕上がった文書箱などの表面をコーティングする樹脂塗料「漆(うるし)」。
ジャパンと呼ばれる漆コーティング(漆器)は、ラッカーとも異なる深い光沢を持っています。欧米にあるラッカーはカシューナッツなどの木の実から取ったオイル。
しかし漆は「漆の木」から取ったウルシオールを塗ったもの。そして漆は接着剤としての機能も持っています。

そこで、この漆を塗ってから、その上に金粉、銀粉を蒔いて絵とか模様を描たもの・・それが蒔絵です。
江戸以前、平安時代から作られていたものですが、平安末期になって、漆を塗る塗り専門の職人と、金粉銀粉を使って、絵を描く職人に分業したということです。

漆の下塗りをしてから、絵を転写し(おそらく 紋切型紙で転写するのでしょうね)、それから金粉、銀粉を蒔いて乾かします。
漆の乾燥には適度な湿気が必要ですが、あまり湿気が強すぎると曇りが出てしまいます。ある程度乾いたら、こんどは研ぎ出しを行います。木片を燃した灰などで表面を磨き、光沢を出します。

絵を描く時、平面に描く「平蒔絵」が普通ですが、漆を高く盛り上げて描いた「高蒔絵」などの技法もあり、職人たちは腕を競っておりました。

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