多くの人が頭に「笠」を冠っていた時代。合羽と網笠は旅の支度でもあり、渡世人の出で立ちでもありました。
しかし、その笠ではなく、「傘」を作る職人を傘屋職と申します。
外国から入ってきたのが「傘」で、最初は唐傘(からかさ)と言っていたようです。それがやがて唐が取れて「傘」になったとか。
必要な材料は竹、木、紙です。図のように開閉するような構造で、柄は樫の木か竹、柄には上下にスライドする「轆轤(ろくろ)」という部品が使われます。おそらく轆轤でパイプ状に木を削ったのでそのまま「轆轤」と呼ぶようになったのでしょう。
この「轆轤」にはエゴノキが使われたとか。
傘紙には美濃紙「森下」を使用し、防水には蕨粉(わらびこ)に生渋(きしぶ)を混ぜた糊で張り、全面には煮立てた「えの油」というエゴマの種からとる乾性油を塗布します。