江戸の職人経済

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井戸堀職人

人間が生きていく上で絶対に必要なもの。「水」
江戸時代はすべて井戸によって供給されました。現在は雨水から水道で供給されますが、江戸時代は地下水。
もっとも江戸では井戸といっても井の頭公園などの水を水路で引いて、長屋まで供給したので井戸型の水道だったわけですが。

それでも井戸は必需品。神社やお寺の境内に井戸を掘っていたようです。
そして、井戸掘りは「桶職人」が兼業していたとか。

彫る場所が決まったら、そこに穴を掘っていきますが、ある程度掘り進むと、周りの土が崩れないように、大きな桶の底の無いもの(これを井筒、または井戸塀と言います)で土留めをします。
だから桶職人の出番だったのでしょう。
掘り進みながら繰り返し、やがて下の水脈にぶつかって飲料水用の井戸が完成いたします。

ですから井戸を一本掘るのには、たいそうお金が掛かるわけです。
さらに、堀り進めて水脈にぶつかればいいですが、はずれるとすべて水の泡。リスキーな作業でもあったはずですね。

掘り方は、「鉄槌」を土中に打ち込み、水を入れて泥と混ぜ、汲み出します。
これを繰り返して、ある程度掘り進むと、周囲の土が崩れないように井筒を組みます。少し深くなると、上に木材を三脚状に交差させ、そこに井戸車をかけて玄番桶(げんばおけ=防火用水として置いてある、あの大きな桶)を吊るして上げ下げしながら泥水をくみだします。

多摩川上水が引かれて、江戸の水事情が良くなると、井戸掘りの仕事はめっきり少なくなったということです。

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