江戸の職人経済

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挽物職人

挽物(ひきもの)とは、木の柱の短いものを回転する板に付けて回し、そこに専用に研がれた刃物を使って削って作られるものを言います。
回転する装置は轆轤(ろくろ)と言いますが、轆轤は陶磁器を作成する回転台のことも表現しますから、横にした轆轤で木を切削した物は挽物と申したのでしょう。専用に研がれた刃物で横に挽くから挽物で、その刃物のことを轆轤鉋(ろくろかんな)と言っていました。

木を材料にして作られた円い細工物は、ほとんどが挽物と申します。
例えば「お碗」、「こけし」、「傘の部品」などが挽物です。

使われた木材は、「エゴ」「ツゲ」などの堅木。つまり広葉樹が多かったようです。
挽くものの形状に合わせて、轆轤鉋の研ぎ方を変え、中をくり貫くような作業とか、その洗練された技が職人の腕。

最初の頃は2人の作業で、一人が台を回転させて、もう一人が刃物で削っていたそうですが、やがて装置の回転を足を使って出来るようにしたものが開発され、この作業は一人で出来るようになりました。
人件費を半分にした合理化ですね。

産業革命が、この轆轤を鉄製品に使用するようになると、呼称は轆轤から旋盤となり、轆轤鉋はバイトと呼ぶようになります。

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