江戸の職人経済

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紅製造職

「紅(べに)」は紅花(べにはな)という花の花弁から取った赤い染料で、これを「べ(月へんに燕)脂(に)」と呼びます。
紅花は山形県などで栽培されていました。紅花を潰して平べったくして、乾燥させて作ったものが紅煎餅です。

紅は画料とか染料に使われ、またご婦人の化粧にも使われる高価なもの。
多くの花を使っても僅かしか取れません。

作り方は、まず紅煎餅を一晩水に浸けてから、麻布の袋に入れて搾り器によって圧縮し、黄色い汁を出して捨てます。
それから搾った紅花を大きな桶に入れて「灰汁」を注ぎ、足で踏むようにして良く混合します。
それから再びそれを麻布袋に入れて搾り器で搾り、今度は搾り汁を採取して別の器に移します。

こうして得た汁に「梅酢」を少量垂らしますと、真っ赤な微粒子が水の中に出来ます。
これが沈殿するのを待ってから、上澄み水を捨て、沈殿物(これを紅殿と言います)を、竹で作った底が高くなった箱に、光絹布(おそらく薄い絹布でしょう)を敷いてその上に移します。
光絹布によって水をろ過し、上に残った紅殿を陶器の猪口に刷塗してから、これを乾かし、これを持って「紅」の完成となります。

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