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フェノールフォームタイトル

フェノールを調べると毒性の強い物質となっています。猛毒と書かれている場合もあります。

しかしフェノールは、木材から摂取される物質でもあります。いわば天然素材。
木材が地中で化石となったものが石炭ですが、その石炭から取り出したものが石炭酸。
そう、フェノールとは日本語で石炭酸のこと。
そしてフェノールは木材だけでなく、植物全般、野菜にも含まれています。
植物には昆虫が付きます。植物と昆虫は受粉などを含めて共生関係なのですが、それでも昆虫にあまり入り込まれたくない植物内部があり、植物の防衛策として、殺虫効果のある(即ち毒性のある)高分子を持っているのでしょう。
森林浴などで有名なフィトンチッドなども、そういう物質のひとつです。

さて、健康に良いとされる物質がポリフェノール。ポリとは「たくさん集まった」というような意味ですから、フェノールがたくさん集まったものがポリフェノール。
猛毒と言われるフェノールがたくさん集まると健康の良い、ということになり、なんだかわけがわからなくなりますね。
いったいどういうことでしょうか?

ことの真相は、酸とアルカリという微妙な物質の性格の捕らえ方にあります。
フェノールは酸性。しかし高分子。だから酸性とは言わず「カチオン」と表現します。
酸性の反対はアルカリ性。これを高分子の世界では「アニオン」と呼びます。
もし物質が中性を示せば、それは「ノニオン」です。(中性洗剤など石油系の物質)
さて、フェノールのカチオン、その毒性の所在は・・・

細胞は細胞膜で包まれています。細胞膜とは高分子がその表面電化でくっつきあった膜のこと。カチオンとはプラスイオンの物質で、これが細胞膜を壊してしまいます。
細胞膜が壊れたら、細胞は死んでしまいますから、即ち猛毒というわけ。
もっとも、アニオンというマイナスイオンの物質でも、細胞膜は壊れますから、同じように毒性は強いわけです。

しかしこの毒性、言い方を変えれば殺菌作用がある、とも言えます。細菌も細胞膜で生きているわけで、膜が壊れると死んでしまいますからね。
殺菌作用があるということは消臭効果もあるわけです。フェノールという毒物、使い方によっては健康に良い、そういうわけですね。
また、カチオンはプラスイオンで「たんぱく質」を溶解する効果もあります。
「野菜を食べろ」という意味は、ここにあるようです。しかし野菜が健康にいいとは、淡白質を溶かすからであり、たんぱく質を摂取しないで野菜だけですと、内臓もたんぱく質ですからどうなるかお解かりですね。フェノールの毒性が効いてしまいますよ。
マイナスイオンが身体にいいとか、ポリフェノールが健康にいいなどと、その理由を考えずにそれだけ摂取することは、とても危険なのです。
毒になるか薬になるか、それは物質の問題ではなく使い方の問題であること、よく考えて判断しましょう。

さて、フェノールフォームはこのようなフェノール樹脂で作られた建材です。
即ち発泡させたフェノール樹脂のこと。もし発泡していなければ、それはベークライトです。電気回路の基板に使われるベークライトで、同系の素材でもっと硬くしたものはエポキシ樹脂と呼ばれています。(エポキシ樹脂は接着剤などで、我々の身近にありますね)
発泡させて板厚を確保、空気層を持って断熱効果は抜群です。つまり省エネ素材。
他の樹脂と違って熱に強く、発火しにくい素材ですので、耐火素材でもあります。
南産業では、このフェノールフォームの二次加工(表面研磨、切断、有孔加工)を行っております。