米朝首脳会談は実現するのか?

安倍首相が日米同盟として行った北朝鮮への経済制裁は、見事に金正恩委員長の財布を直撃したようで、経済制裁の目的としていた「北朝鮮側からの話し合いの申し込み」は実現しました。
ですからトランプ大統領は「会ってやるよ!」と言ったわけですが、その後の金委員長は先ず一番制裁の弱い中共に行って会談をしたわけです。

詳細は報道されていませんが、おそらく中共側が呼んだのでしょう。金委員長にとっては渡りに船の状況があったのではないでしょうか。しかしこれは毒薬かも知れませんね。
おそらく習政権は、朝鮮半島問題で中共が蚊帳の外のまま進展することが嫌だったのでしょう。

そこで「段階的な核兵器撤廃で同時並行的な経済制裁緩和措置」という新たな提案をしてきました。これは金委員長(とその周辺)が頭をひねって作り上げた提案なのか、習政権があらかじめ考えていたことなのかは判りません。
ともかくこの提案を、北朝鮮側が独自に直接アメリカにぶつけても受け入れられないことは明白ですから、中共とともにその提案を行ったのでしょう。
この場合、韓国の今の大統領は北朝鮮の言いなりですから、当然支持は3か国となります。

ここで初めて習政権が3月初めにトランプ大統領に言ったこと・・ロシアと日本を外した4か国協議で安全保障体制の新たな枠組みを作ろう・・との提案と辻褄が合います。
そしてこのタイミングは、安倍首相が森友問題で動けなくなっている時になされたことから、日本の政界や官僚内部にも中共の魔の手が伸びていることを伺わせます。
安倍政権打倒を言う野党や3選阻止を狙う自民党内部の動きなども、この魔の手が煽動していると言って良いでしょう。
こんな謀略に引っかかる議員は「大臣の椅子」しか頭にはないようで、国家国民のことなどどうでも良いとなってしまった議員の方々でしょう。

トランプ政権は核廃棄に「リビア方式」を唱えています。「完全かつ検証可能で不可逆的な核解体」(CVID)がリビアで成功したと見て考えているからでしょう。
そしてこれは当時国連大使だったジョン・ボルトン氏の行った核の廃棄処分手法です。そのボルトン氏は現在大統領補佐官に着任しております。

金委員長が恐れるのは、これを受け入れたカダフィ大佐がその後どうなったかを知っているからです。そして間違いなく自分もそうなることを予感しているのでしょう。
アメリカと対峙した多くの権力者が、敗北後どうなったかはご存じのはず。それを覚悟の上での核開発ではなかったのですかね。

さらにトランプ政権は、「IS問題が収まっている今、最大の敵は中共になる」と宣言している大統領でもあります。(今、ピーター・ナバロ氏が浮上してきましたね)
最初は中共からの輸入品である鉄鋼とアルミに関税25%を掛けました。報復として中共はアメリカからの農産物に25%の関税をかけました。それはアメリカの経済に0.3%の打撃を与えるだけだそうです。

そして続いて、トランプ政権は「知財侵害の制裁」を掛けようとしています。サンダース米大統領報道官は「中共側の態度に変化がないなら、われわれは前進する」と述べました。トランプ大統領は前大統領を非難するように「アメリカは無能な大統領が原因で、何年も前に中共との貿易戦争に負けた」とツイッターに書き込み、「自分の政権は違う」ことをアピールしているそうです。

さて、このような状況の中で安倍首相は4月17日にトランプ大統領と会談します。トランプ大統領は安倍首相の言うことは聞く耳を持っているとか。
それはこれまでの首相の言うことがことごとく当たっていたからでしょう。就任直後に行われた首脳会談では、「シンゾーのいう習政権の問題は本当かどうか」を疑っていたわけです。しかし1年間の習政権の動きから、「シンゾーの言った通りだった」という思いがあるのではないでしょうか。

安倍首相はトランプ大統領に「段階的な核兵器撤廃を行っても、同時並行的な制裁緩和は取らない。完全撤廃が確認されてからの制裁解除のみだ」と告げるように勧めるのではないでしょうか。
そしてさらに「完全かつ検証可能で不可逆的な核解体」がその要求であり、国際原子力機関(IAEA)が査察任務を行うが、IAEAに主導権を取らせずアメリカが主導権を取る」と核廃棄の具体的な提案をするべきでしょう。
リビア方式とは、核・ミサイル装備、関連機器を船舶で米テネシー州のオークリッジ国立研究所に運搬して解体することを意味します。

この場合、核施設から核弾頭やミサイルを太平洋側の港に運搬しなければなりません。そのために国連軍とアメリカ軍が北朝鮮領内に入る必要があります。
また、兵器の隠蔽工作などがなされていないかどうかを確認する作業もあり、アメリカ軍関係者が自由に調査出来る環境も必要です。
そしてこのような活動が国民に知られれば、金委員長のカリスマはなくなり、クーデターが発生する可能性もあると言うことになります。それを率直に伝え、変な回答が帰ってきたら席を立って戻るべきです。会談は決裂で、制裁は続行します。

金委員長が中共のバックに頼ろうとしたら、必ず韓国の米軍基地撤去を口にするでしょう。その場合「北朝鮮は中共の属国に戻るのか?」とやさしく尋ね、「ご承知のように、アメリカは今後習政権と対決することになるだろう。その時、北朝鮮は中共側に付くと言うことだな」と引導を渡すことですね。もし北朝鮮が中共と敵対するなら韓国の米軍基地は役に立ちはずですからね。
米中の対決とは経済対決のことで、ドルに対抗しようという人民元を指します。フセイン大統領もカダフィ大佐も、その点で殺されたのです。そのことを暗に匂わせることです。

ついでに「プーチン大統領と私(トランプ大統領)はしょっちゅう電話で話しているよ」と言うような脅しも必要ですね。(欧米日のマスコミなどあまり信じるなということ)

ここまで結論がわかっているなら、もう米朝会談など行う必要はないかも知れません。トランプ大統領は席を立ち、そして経済制裁は継続され、中共は国内経済の悪化に四苦八苦する・・というシナリオですから。

急げ、防衛の合理化

尖閣諸島の防衛は現在は海上保安庁に委ねられています。仕方なく中共は海警という部署を作って、機関銃を装備した船で尖閣侵略を行っていますが、そろそろ我慢の限界らしく、海警を軍に併合することを考え始めたようです。

対する海保は、アメリカ製の無人機「ガーディアン」を検討し始めたとか。
ガーディアンとは、ジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズの洋上監視型無人機で、プレデターの後継機であり、攻撃能力が無い洋上監視に特化した無人機です。

ステルス型であることは当然ですが、飛行時間がプレデターよりも5時間も長く40時間は飛行可能と言うことです。
グローバルフォークは34時間ですからそれよりも長いようです。また、グローバルフォークは高高度からの偵察になりますが、このガーディアンはもう少し低空での監視で、沿岸監視に向いているようですね。

このガーディアンのもとになったのはプレデター後継のMQ-9リーパー(監視し攻撃もする)から派生した監視のみの無人機だそうです。

今年3月に幕張メッセで行われた「ジャパン ドローン2018」にこのガーディアンが展示され、ジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズのアジア・太平洋地域国際戦略開発担当副社長のテリー・クラフト氏が日本に対して提案を行なったそうです。

尖閣防衛だけでなく、最近は北朝鮮船舶の「瀬取り」などの監視も担当し、不審船舶の監視、さらに離島などへの侵攻の監視も負わされている海保にとっては、任務遂行の合理化として必要と見ているようです。
プレデターMQ-9リーバーのような攻撃能力を持つと、海保の権限を越えてしまいますから、監視のみに特化したガーディアンには魅力を感じているようです。

不審な船舶を見つけしだい速やかに接近し、可視光や赤外線などの光学カメラ、合成開口レーダーで撮影出来ますし、静止画だけでなく動画も撮影可能、船名や武器を始めとした搭載物、乗組員の様子などが分かるレベルの画像が撮影できるそうです。
そして夜間や悪天候時も運用可能で、静止画や動画は、人工衛星を通じてリアルタイムで陸上の管制室に届けられると言うのですから、今後さらに緊迫する東シナ海や日本海には必須のアイテムかも知れませんね。

ガーディアンは今後さらに改良されるそうです。
現在1,500mを必要とする離着陸時の滑走距離を、3枚プロペラから4枚プロペラへの換装、ブレーキ性能の向上、フラップなどの改良により、1,200m程度に短縮する計画があり、さらにドローンの運用上大きな問題の一つとなっている、民間の小型航空機との接触事故の危険に対して、自動衝突防止装置の研究開発が順調に進んでいると言うことです。

ガーディアンの最高時速は約440キロ、航続時間は増強型で40時間ほどになり、これは沖縄県・那覇空港から発進させるとオーストラリア北部までを往復させることが可能になる性能になると言うことです。
また、管制室からの遠隔操縦が基本となるそうですが、状況に応じて衛星利用測位システム(GPS)を用いた自動操縦にも切り替えられると言うことです。

海保の検討によると、監視活動の交代や機体の整備などを考慮すると、機体は最低でも3機が必要となるそうです。
この場合の価格は、管制室など運用システムを含めて「200億円」くらいだとか。他の軍用システムに比べれば安いと思います。

我が国は決して小さな島国ではありません。領海の広さは世界6番目で、領海および排他的経済水域(EEZ)を現在の巡視船や航空機、人員の数でカバーするにはもう限界だそうです。
衛星監視でも常時監視は不可能だそうで、何かが発見された場合に集中的にそこを監視可能にできる無人機の導入は、監視体制強化の一環として必要になって来たと言うことでしょうか。

海保関係者からは「われわれは尖閣や日本海をはじめ、多方面で対応していかないといけない。一般的に言えば、無人機の利用は効率的だ」との意見も聞かれるようになってきました。

最南端の沖ノ鳥島や小笠原諸島の周辺海域(いずれも東京都ですよ)においても中共の違法漁船に操業され、2014年には赤サンゴを大量に盗まれ、それでも我が国は指をくわえて見ているしかなかったことが思い起こされます。

この2014年に防衛省は無人偵察機の導入機種を選定しました。この時このガーディアンは飛行高度が13700mで、小型飛行機との衝突が懸念され、高度2万mのグローバルフォークが選ばれたという経緯があります。
グローバルフォークは2021年から三沢基地に導入される予定ですが、この価格が3機体制で629億円です。

これと比べればガーディアンは安上がりで、しかも14年に問題となった小型飛行機との衝突については、自動回避装置を取り付けるようになるなどの改良が加えられるそうです。

防衛の合理化は、海に囲まれた我が国にとって、避けては通れない問題だと思います。

北朝鮮よ、どこへ行く

金正恩委員長が習近平主席と北京で会談したことは、当然北朝鮮が北京に屈したことを意味します。少なくとも外交面では。
しかし、北朝鮮が北京の影響下から脱したがっていることは確かでしょう。叔父の「張成沢」氏を非情なやり方で銃殺したことも、兄の金正男氏を毒ガスで殺害したことも、もとは反中の意識からだったはずです。

さらにこれには、アメリカや日本に対する北朝鮮の「脱中共」というメッセージが込められていたのかも知れません。核開発やミサイルの発射も、基本的には北京を狙ったものだったのかも知れません。
しかし、この手法は当然ですがうまくいきませんでした。ますます日米同盟は強固となり、アメリカは空母打撃軍を韓国や日本海に展開し、核放棄を迫り、そして拉致被害者を返せと叫びます。

そして安倍政権が主導した経済制裁が、じわじわと金正恩委員長の周辺の経済状態を悪化させていきます。中共もこの経済制裁には同調せざるを得なくなり、北朝鮮の金体制が危機に陥ってしまいました。

トランプ大統領は、韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長から、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による首脳会談の要請を聞き、それを受け入れました。
しかしこの会談が、金委員長の核開発までの時間稼ぎであり、「またアメリカは騙されるのか」という疑念が浮かびます。

トランプ大統領は、国務長官のティラーソン氏を外し、代わりにCIAからポンペイ氏を起用します。そしてマクマスター大統領補佐官も解任してジョン・ボルトン元国連大使を起用したのです。
トランプ・金会談が決裂した場合のアメリカがどう出るか、核の全面廃棄に向けたアメリカの強い主張が、この人事に現れたわけです。

核を手放すことを考慮には入れていない金正恩委員長ですから、これで詰まってしまったようですね。ついに北京に朝貢し、習近平主席にバックアップを依頼したようです。

この会談がどんなものかは判りませんが、しかしその前後の動きを見れば見当は付きます。
先ず3月9日の米中電話会談で習近平主席がアメリカに向けて「6か国協議から日本とロシアを外し、4か国協議を行う」という新たな安全保障の枠組みを提案をしました。アメリカを懐柔して、そして日米離反を行い、それを持って韓国から米軍を追い出そうという謀略を打ったのです。

その後、金委員長は習主席との会談後にIOCのトーマス・バッハ会長を平壌に呼びつけ、「2020年の東京オリンピック」に参加する意向を伝えました。
安倍政権が断れない条件を突き付けてきたわけです。核開発の時間稼ぎかも知れません。

これが習・金の会談で作られた謀略だったように思います。アメリカが攻撃しないようにすること。現代の戦争はこのようにして推移していくわけです。
このとき日本の国会では「森友問題」で安倍首相の支持率を落すことに成功した野党とサヨク・マスコミ連中が、何の意味もなく国会を空転させていました。

次は4月17日の安倍・トランプ会談で、この動きにどう対処するかを検討する番なのです。目的を忘れないようにしなければなりません。ゴールは北朝鮮からの核の一掃と拉致被害者奪還、そして中共の封じ込めなのです。

会談では先ずロシアの北方4島へのロシア軍基地をアメリカに認めさせること。つまり日本は沖縄と同様に「基地付き返還」でロシアと交渉できるようにすることが必要なのではないでしょうか。あの日本国憲法はまだまだ本物に改正するためには時間が必要なようですからね。
これによって中共への牽制が出来ますし、羅津港を出港した中共の船が北極航路に向かう場合でもロシア領の樺太・間宮海峡か、あるいは宗谷海峡、または津軽海峡を経由しないとベーリング海峡を越えられません。
間宮海峡はロシア領です。ですから宗谷海峡か津軽海峡しか出口はないわけで、その先の北方4島にロシア軍基地が出来ることは中共にとっては嫌なことでしょう。中共にとって嫌なこと、すなわち日本にとっては良いことです。(ベーリング海峡も両岸がロシアとアメリカになるのですが・・)

中露の友好関係が表面だけであることは、この4か国協議をアメリカに提案したということからも解ります。つまり日本だけを外すのではなく、ロシアも外したと言うことです。
この点は北朝鮮側にとっても、中共との関係をバランスするのにロシアが使えることも意味します。北朝鮮はソビエトが作った国ですからね。

2020年の東京五輪に北朝鮮が参加することに関しては、日本は拒否することは出来ません。うまいところを突いてきたものですね。
これに対して、安倍政権は「五輪に北朝鮮が参加することを歓迎する」と言わなければならないでしょう。要点はその後に「五輪への政治介入は認めない。その点だけははっきりさせましょう」と言うような文言を付けておけばいいのではないでしょうか。(拉致家族会は反対するでしょうけど・・)

あとは、このような動きがあっても北朝鮮に対する経済制裁だけは緩めず、さらに強化していくことです。残念ながら中共は制裁を緩和してしまうでしょうけどね。

トランプ大統領と金委員長の会談が成立するならば、そこでは「あくまでも最終ポイントは核の一掃と拉致被害者の返還である」とうスタンスを崩さないことです。
「段階的核廃絶をすれば、経済制裁もさらに長期化する」ことを告げるわけです。そして、北朝鮮経済を立て直すには必ず日本の協力が必要になる。そのためには日本の拉致被害者を何とかすることだ。それしか方法はない」という点も強調することです。
これは、たとえ4か国協議が実施されたとしても同じことです。北朝鮮・韓国・中共の言い分はほぼ同じですから、トランプ大統領は「朝鮮半島からの核の一掃」を述べ、それが実現するまで経済制裁は続くことを述べれば良いだけです。一掃されたかどうかの判断は「IAEAの査察」で決まることも・・・

金正恩委員長にとって、拉致問題は先代から受け継いだ負の遺産です。しかも仕掛けたのは北朝鮮側だけではなく日本国内のサヨクもからんでいることが考えられます。
つまり、拉致問題に関しては「それを主導したのは日本側だ!」とも言えるのではないでしょうか。その場合は、その日本側で主導した人名を述べることで、だいぶ拉致事件の様相も変わってくるはずです。

もともと世界共産主義革命などという妄想が引き起こした事件であることも確かですから、金委員長は言い訳も出来るはずです。
もちろん北朝鮮が共産主義を止めることが前提になりますけどね。

北朝鮮が中華思想に呑み込まれるのか、それとも自由主義側になるのか、少なくとも金委員長はスイス留学で自由について学んでいるはずです。
それを阻止するのはやはり中共でしょうね。朝鮮半島は常に大陸の恫喝に苦しんでいるのも事実ではないでしょうか・・・

安倍政権vs財務省の構図

評論家の小浜逸郎氏がメルマガ上で、「森友学園への国有地払い下げにともなう財務省の有印公文書書き換え問題は、反日野党やマスコミの言う安倍政権攻撃・打倒の材料にはならない」ことを述べております。

この問題は森友問題とは切り離して考える問題で、その背後には安倍政権対財務省の対決の構図があると言う事です。
すなわち、財務省の緊縮財政に対して安倍政権は最初から積極財政の政策でデフレと対峙しようとしてきたと言うのです。
ですから必然的に財務省との対決になるわけです。

安倍首相はアベノミクスという表現で積極財政を目指しましたが、財務省は消費税8%を実施させることでアベノミクスを潰してきました。そしてアベノミクスは失敗だったというプロパガンダを放ち、安倍政権追い落としを仕掛けたわけです。

そこで安倍政権側は日銀総裁に黒田氏を置き、盟友の本田悦朗氏の推薦で早稲田大学教授の若田部昌澄氏を日銀副総裁に起用、そしてエール大学名誉教授である浜田宏一氏を内閣参与に据えるなどで、積極財政を日銀から起こさせようとしたのです。

財務省の緊縮財政は、国際金融資本とかIMFの古い考え方であり、インフレ抑制だけを考えた政策です。ですからデフレ脱却にはほとんど意味の無いどころか害のある政策です。
安倍政権が向かう積極財政はインフレを起こす政策ですから、財務省が反対するのも当然ですが、デフレ脱却にはインフレ政策しかないのも当然です。

財務省は「消費税10%」と「プライマリバランスの黒字化」という目標を国民に判りやすい「日本の借金は1000兆円を超えた」とか「財政規律の維持」などをいかにも常識の如く国民に吹聴します。財務省のホームページを使い、そしてマスコミには「査察に入る」などと言う脅しと「消費税10%の時に新聞は8%据え置きにする」などの甘言を与え、国民に財務省の言うことが真実であるかのような印象操作で安倍政権に対峙してきました。

考えてみれば、緊縮財政と積極財政はどちらが正しいかという問題ではなく、その時の状況に合わせて選択すべき手段に過ぎません。
インフレで国民生活が苦しくなってきたら緊縮財政を撃つべきですが、デフレが続き脱却できない今は積極財政を取るべきであることは誰が考えても当然のことです。

ですから安倍首相の支持立が高くて行き詰って来た財務省が取った手段が「決裁文書書き換え」という自爆テロだったのではないかと疑われているわけです。

この書き換えを朝日新聞にリークしたのが誰かは判りません。検察なのか財務省内部なのか・・・
ただこれによって行政の長である安倍政権の責任が問われることは間違いがなく、見事に支持率が下がってしまいました。
この支持率低下に勢い立ったのが野党の面々です。書き換えられた部分に安倍昭惠夫人の名前があったことから、「昭惠夫人を国会に招致して吊るし上げろ!」という魔女裁判を叫び始めます。国会周辺や首相官邸前に街宣車が繰り出され、「安倍は責任をとって辞めろ!」と大きな声でがなり立てる事態が始まりました。

このような中で、財務省は決裁文書改竄という犯罪にどう「落とし前」を付けるか、そういう問題になって行ったようです。
佐川国税庁長官が辞任し、そして国会での証人喚問になっていったのです。佐川氏は書き換え問題に安倍首相や他の閣僚、そして昭惠夫人などの関与はまったく無かったことを証言しました。野党の恐喝のような怒号の中でも、弁護士と相談しながら答弁を行いました。事実、安倍首相や昭惠夫人の関与など無いわけで、脅しに乗って変なことをしゃべると偽証罪になってしまいますからでしょうね。
そして「書き換えたのが誰なのか」「その目的は何だったのか」については調査中を理由に一切しゃべりませんでした。これは財務省内部に対する佐川氏の脅しであると言う方もおられます。
つまり、「自分は知っているけどしゃべらない。だから・・・」という脅しだそうです。

こうして改竄事件は一応落ち着きを取り戻したようです。しかし財務省の緊縮財政と安倍政権の積極財政の対決はまだ終わっていません。
次の戦いは6月の「骨太方針」のなかからプライマリバランスの黒字化という文言を消し去ることが出来るかどうかです。
財務省はこの黒字化で「財政規律を取り戻す」などと言っております。もちろんこんなことをしても財政規律が良くなるわけはありません。ただ消費税増税をしたいだけでしょう。意味もなく・・・

アメリカに新しい経済理論として「シムズ理論」というものが出てきました。プリンストン大学のクリストファー・シムズ教授が提唱する「物価水準の財政理論」と言うものですが、内容は「ゼロ金利の制約に直面した状況で金融政策が有効性を失う場合」の経済政策は「インフレを生むように意図した追加財政は、将来の増税や歳出削減で賄うことを前提にした通常の財政赤字ではなく、インフレでファイナンスされた財政赤字が必要」と言うものです。

「財政政策の拡大によって意図的にインフレを起こし、債務の一部を増税ではなく物価上昇で相殺させると宣言することで人々のインフレ期待を高める」と言う、アベノミクスが最初に目指した財政政策とほぼ同じものです。

日本の財務省の緊縮財政は、最近では国際金融資本からもIMFからも批判されているということですから、そろそろ財務省も負けを認めたらいかがでしょうか・・・

なぜ消費税とPBは撤回にならないのか?

財務省は「決裁文書書き換え」という犯罪を認めるそうです。犯罪かどうかは司法の判断を待つしかありませんが、たとえ罪に問われなくても、官僚のこのような行為があって良い訳はわりません。

財務省がこのような行為に及んだ背景には、他の省庁の力が落ち込んで、財務省の言うがままになってしまったことがあると言います。
昔は国土工中小が道路通行料という財源を持っていましたし、郵政省が郵便代金とか郵貯という財源を持っていました。その他にも医療保険などの財源を厚生労働省も持っているなど、財務省だけがっ強いわけではありませんでした。

しかし年金の不正事件とか、郵政民営化、道路料金の一般財政への組み込みなど、さまざまな理由があって財務省に財源管理を一本化することになり、財務省の権限が非常に強くなってしまったようです。
何しろ他の省庁が何をするにも予算を取らなければなりませんから、そのネックを財務省に押さえられた格好になってしまったわけです。

そこから財務省の力が異常に高まり、財務省の経済理論が正しい様な、そんな雰囲気が生まれてきます。
財務省は基本的に国際金融資本などと同じ、緊縮財政主義と言う事です。つまり「通貨の価値を高め、インフレを防止する」という価値観に立っております。
ですから「経済成長(緩やかなインフレ)」を敵視するような政策を取ります。我が国の土地バブル崩壊以降、彼らが打ち出したのが緊縮財政で、民間の「借金返済」の集中による「合成の誤謬」が起きている時に、財務省が緊縮財政などを行ったために、我が国が前代未聞のデフレとなってしまったことはご承知の通りです。(国家存亡の危機で、それはまだ続いています)

こうして財務省は傲慢になり、日本経済のことを忘れ、国民に「我が国は借金大国だ」などという嘘を流し、増税をたくらみ国家を存亡の危機に追い詰めて行ったわけです。
政治家も、自身の使命をもを無視した財務省の行動が、今回の改竄事件の裏にあるように思います。
財務官僚のこの思い上がりが他の省庁にも飛び火して、「JK・出会い系バー」などに出入りする公務員が出てきたりしているのでしょう。

この財務省不祥事を、我が国の間違った経済政策を糺す切っ掛けにしなければなりません。それが「消費増税10%の白紙撤回と、PB黒字化の撤回」なのです。
安倍首相はこのいずれも乗り気ではありませんでした。しかしこれまでの内閣が財務省に騙されてきた流れをいきなり変えることが出来なかったわけです。
今回の財務省不祥事も、財務省が仕掛けた安倍政権つぶしの自爆テロだった可能性は高いでしょう。実質的には安倍政権と財務省は対立関係にあるわけですから。

しかし安倍政権も自民党の中で強い立場ではありません。
竹下亘総務会長などは、この森友問題を使って「昭恵さんが迷惑をかけたことは事実。しかし売却に関与していたことは無い。この2つは別けて考えるべき」などと講演し、昭惠夫人の証人喚問は否定しながらも、岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長を支援しております。
岸田文雄氏や石破茂氏が、トランプ大統領やプーチン大統領と渡り合えると思っているのでしょうか?
自民党総裁選で、自分の派閥のための安倍卸しを計っているわけですね。派閥優先で日本国家と国民はどうでも良いと考えているようにしか見えません。

さて、三橋貴明氏によりますと「安倍首相は消費税10%もPB黒字化もやるべきでないことはよく判っている。しかし自民党内部や財務省などとの政治的なものがあり、それでなかなか出来ない。もっと自民党議員や国民側が声を上げてくれるとやりやすくなる」と述べていたそうです。
安倍首相は財政出動に積極的なようです。アベノミクスがそうでした。しかし財務省に上手に潰されてきた経緯があります。

毎日帳簿とにらめっこして、利益増大を考えている経営者などはマクロ経済のことがなかなかピンときません。借金は絶対に返済する必要があり、赤字は悪い事、そして節約は良い事」というのが常識だからです。
しかし国家経済はそもそも経済の考え方が違います。お金の発行は借金という形を取って行われ、返済された借金は、再び誰かに借金をさせないといけないわけです。そうしませんと国家の経済が縮小してしまうからです。(流通通貨が減少するから)
そう、国家経済の目的は経済規模を膨張させることにあり、それが国家経済の利益に相当するわけです。

EU離脱を決めた英国が、離脱後に使う新しいパスポートの製造をフランス・オランダ系企業に依頼することが判り、離脱派勢力は「国辱だ」と憤慨しているそうですね。
これに対して英国の内務省は、「これによって英国民の税金を1億2千万ポンド(約179億円)節約することになる」と言い訳をしたようです。
どうやら英国の内務省も国家経済が判っていないようですね。外国企業に税金を使えば国内のお金が縮小してしまいます。つまり景気が悪くなるのです。一瞬かもしれませんけど。
それより国内の企業に高くても支払えばそのお金は英国内に循環します。つまり英国経済が動くのです。

「安く作れるから得をする」ことは、マクロ経済では経済規模縮小という結果を生むということなのです。

新しいナショナリズムの復活は、国民の間で「自国内でお金が循環するかどうか」を考えて消費活動を行うという意識が必要なように感じます。

関税をかけるのも良い方法ですが、自由貿易主義との折り合いを如何に付けますか?・・

押し売りは犯罪ではないのか?

スマホでワンセグの放送が見られることから、携帯、スマホの所有者からNHKは受信料を取って良いという判決が、東京高裁の深見敏正裁判長から出されました。

この訴訟は、埼玉県朝霞市の市会議員が行っていた訴訟で、一審のさいたま地裁判決では「支払い義務はない」となっていたものです。

このワンセグNHK訴訟は5件あって、いずれも「放送法の受信設備設置」であり支払い義務がある・・とするものでした。
今回の訴訟だけが「受信設備の設置に当たらない」との一審判決が出されたものでした。しかしそれも二審の高裁で反転してしまったことになります。

このNHKの料金徴収は、放送法第6節・第64条に規定された法律文によるものです。すなわち「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。第百二十六条第一項において同じ。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。」という文章です。

さて、携帯電話およびスマホは「受信設備」に相当するのか、それとも「放送の受信を目的としない受信設備」になるのかが問われるところです。
携帯電話、もしくはスマホの購入者が、NHKのワンセグ放送を見る事を目的として所持しているのであれば、NHKの受信料は課金されるべきでしょう。

しかし電話やネット閲覧を目的として所持しているのであれば、それは「NHKの放送を見る事を目的としていない」ことになります。
ならば「課金されないのではないか」と言うのが今回の訴訟だったはずですね。

判決は、その携帯電話が「協会の放送を受信することのできる受信設備」になっていたから支払い義務があるというものです。
しかし所持者は、「放送の受信を目的としないで所持していた」ということなのです。そしてこの言い分が通らなかったわけですね。

さて、「受信料は家庭単位で課金されるから自宅で払っていれば携帯で支払う必要はない」という方が居られます。
しかし、携帯電話は移動体ですから、もしその所持者が事務所を持っておられ、そこで携帯電話を使用すれば、その事務所がNHKワンセグ受信可能として課金されることになるのではないでしょうか。そこでNHKワンセグ放送などは見ないのに・・です。これが今回の判決です。

さらに、それなら「ワンセグ受信できない携帯電話を選択すれば良い」という意見に対しては、例えばスマホにはワンセグ受信の機能が付いていない機種が存在しないという現実を考えて欲しいわけです。
いくつかワンセグ受信が出来ない機種もあったり、SIMの差し替えで受信不可能にしたり出来る場合もあるようですが、その場合には「おサイフ携帯機能」が使えなくなるなどの不都合が出てきたりして、結局ワンセグ受信機能付きで買わされることになっているようです。(ユーザーに選択権がない)

これは機種選択でワンセグ受信したくないユーザーはスマホを持つことが出来ないという差別になるのではないでしょうか。
スマホは普及率が高く、しかも仕事にも欠かせないツールになり始めております。そこに差別が生じれば人権問題に発展しかねませんね。

もともとワンセグとは、NHKなどが力を入れていたハイビジョン放送で、デジタル化するにあたってパケットをセグメントに別けて放送したところから副産物として考えられた機能で、大型スクリーンに現在放送中のメニューとして表示する目的でなされたものです。
一つのセグメントをメニューに使うと言う訳です。だからワンセグなのです。

ところがユーザーは、放送される番組を見るのにワンセグだけで充分と考えたようで、そこからこの携帯受信問題が派生したと思います。
つまりハイビジョンで見る必要のない番組が多いからです。

そこでNHKは「ワンセグ受信も受信設備だ」という立場を取り、このような訴訟にまで発展したわけです。いわばレストランに入ってメニューを見ただけで金を取られることになってしまったと言う訳です。

これは一種の「押し売り」ではないでしょうか。「押し売り」は犯罪だと思うのですが、この「電波押し売り」は裁判所が背景に付き、いわば司法のバックを持った恐喝が今後行われるという事を意味します。
現実にネットなどでは「やくざみたいなNHKの集金人が来た」などの書き込みが出始めています。

放送がデジタル化した今、有料放送は暗号化して放送すれば受信機がどうであれ契約者以外には見られなくすることが可能です。
それを知っていて、放送を垂れ流しにして「昭和25年5月2日」に出来た法律を楯にお金を強請るやり方は、明らかに押し売りです。そしてそれに司法が協力している構図が見えてきます。

そしてNHKは「放送による表現の自由を確保すること」とか「放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること」という放送法第一条を守っているとは思えません。(例えば青山繁晴参議の国会質問は放送しない・・など)

放送しないから、日本の危機はまったく国民に知らされていないことになるのです。そしてこのたび放送法の改正議論が本格化し、まず民間放送の地上波テレビ関連法が撤廃になるそうです。安倍内閣の成果ですね。残念ながらNHKはまだそのままですけど・・・

金正恩委員長の訪中

さすがに独裁者ですね。アメリカと中共が貿易戦争に突っ込んだとたんに、中共へ列車で訪問、半島問題と習主席の訪朝を要請、そしてうまくいったようです。(本当に金委員長が行ったのかどうかは不明ですが)

5月までにトランプ大統領との会談を予定している北朝鮮ですが、もう騙すことが出来ないと腹をくくったようです。常に敵の敵は味方というスタンスを取ってきた金正恩委員長にとって、これはまたとないチャンスだったようです。

「朝中親善関係の発展や朝鮮半島情勢の管理問題をはじめとする重要な各事項について、突っ込んだ意見交換を行った」とする北朝鮮側の発表ですが、核開発の時間稼ぎには習政権を使う方が得策と踏んだのではないでしょうか。
これで習近平主席の訪朝が6月か7月になれば、その間はアメリカの攻撃はないだろうという作戦です。

中共にいいようにされ、国土は荒れ放題の北朝鮮。その資源は乱開発されて、北朝鮮の利益は失われ、それゆえに叔父の張成沢氏を銃殺刑にして、その上中共と北朝鮮乗っ取りを画策していた兄の金正男氏を毒殺するなど、そこまで中共を嫌っていた金正恩委員長です。
しかし経済制裁によって金委員長の資金が枯渇し始めると、そんな習政権でも利用しようという、さすが北朝鮮の委員長ですね。

表向きは「核の完全放棄」と述べていますが、北朝鮮にとって核とミサイルは輸出商品であり、止めることは出来ないのではないでしょうか。
アメリカは完全廃棄のためにIAEAの査察受け入れを要求するでしょう。それを拒否するための布石なのかも知れません。
査察受け入れが拒否されれば、米朝会談は不調に終わります。経済制裁を一層強めようとしても、中共がそれに加わらなければ制裁の効き目が薄まってしまいます。
そしてトランプ大統領が拉致問題を持ち出しても、「それはすでに解決済みだ」という一言で押し切られるでしょう。
結局拉致問題は我が国の問題であり、憲法改正・軍備と情報戦(スパイ網)の対応力をつけなければ解決は不可能でしょう。「日本型リベラル」が居るうちは無理かも知れません。
http://www.sankei.com/smp/politics/news/180328/plt1803280010-s1.html

結局このようにして北朝鮮問題が米中対決になっていくことは仕方のない流れなのかも知れませんね。そしてこのことから、米露の接近が不可欠になっていきます。
4月の安倍・トランプ会談は、プーチン大統領とトランプ大統領の交渉の下準備という要素が濃くなっていくのではないでしょうか。つまり5月に安倍・プーチン会談が予定されていますから、その後の米露首脳会談の設定です。

北朝鮮が再び中共と結びつけば、ロシアにとって座視できない問題となります。それはロシアと中共の長大な国境線の問題があるからです。
中共の15億の人口圧力の前では、人口600万人のシベリアはもはや風前の灯といった状況なのです。そしてさらに北極海航路の占有問題も出てきます。
北朝鮮が中共と協力関係になれば、中共は北朝鮮の太平洋側の港(羅津港)から北極海航路に向けて艦船を運行することがたやすくなってしまうからです。
これを阻止するには日米同盟を利用するしかないでしょう。

米露首脳会談では、北朝鮮をいかにして中共から引き離すかが議論されると思います。北方領土の進展は、この会談の中でアメリカが北方領土にロシア軍の基地を置くことを容認するかどうかにかかっているのではないでしょうか。(容認しなくても基地は造られますが)

アメリカがあの4島にロシア軍の配備を容認すれば、日露会談ではロシア軍基地付きでの返還に向けた交渉が可能になってくるように思います。(沖縄と同じように、日本に強い軍事力を持たせないように)
もちろんロシアに対する日本の経済支援が大前提ですけど。中共(と共同する日本型リベラル)は大反対ですね。

ここでディアスポラ・ユダヤの動きが気になります。よくトランプ政権の脆さを吹聴する方がおられますが、彼らはアメリカ金融筋の動きを見ているからでしょう。
長い間アメリカ経済を牛耳ってきたユダヤ資本。その連中です。イスラエル・ユダヤとは袂を分かち、国際金融資本として生きていく筋の方々で、トランプ政権に対峙しているグループと言えるでしょう。アメリカのジャーナリズムをも支配しているグループのように思います。
プーチン大統領が対峙しているのも、このグループです。ですからトランプ政権と馬が合うのは当然です。
トランプ大統領がティラーソン国務長官やマクマスター大統領補佐官を排除し、ポンペオ氏やボルトン氏を後任につけたのも、このグループのトランプ政権への影響力排除が狙いのはずです。決して「嫌いな部下の排除」や「忠臣登用」と言う性格のものではないと思います。

しかし、このグループは中共には手が出せません。共産主義原理に戻っていく中共だからです。もっとも裏でつながっていることはあるでしょうが。(裏でナチスを支援したりしていましたからね)
そして世界は、グローバリズムからナショナリズムへと移行し始めていることも事実です。中共、北朝鮮など、国際法無視で軍事力のみを覇権の道具にするために、世界は再び軍事力と戦争の時代へと向かっているわけです。

英国、アメリカ、オーストラリアのアングロサクソン国家に加えて、日本、インド、フランスなどが太平洋での軍事力強化に向けて連合を組みそうな状況が出来上がりつつあります。
ここにロシアが加われるかどうか、そしてドイツがまた反対側に付くように感じます。

この戦争は、現在はまだ外交とサイバー空間で行われています。そして今後の戦争がどのような戦い方になるのか・・・それはまだ誰にも解りません。

財務省の犯罪

財務省・佐川宣寿前国税庁長官の衆院予算委員会での証人喚問が終わって、今回の事件の筋が見えてきました。
野党議員は安倍首相を引きずり落とすために「昭惠夫人の関与」をまだ言っているようですが、財務省の決裁文書の改竄と昭惠夫人の関与とはまったく関係が無いことになります。

消された部分、「良い土地ですから進めてください」という文言は、改竄する前の資料には籠池氏の発言として記されていたわけで、同じ言葉が拘留中の籠池氏から得られたとしても、何の意味もないでしょう。
すでに昨年に決着している話題です。今回の問題は決裁文書の改竄という犯罪の追及なのです。

今回の改ざん問題で安倍政権の支持率が下がった原因は、マスコミの報道の仕方にあるだけで、マスコミが国民をミスリードしたということになると思います。
つまり問題はマスコミの報道姿勢であり、特にテレビの影響が大きいようです。すでに時代遅れになったテレビの報道を糺すには、早急に通信(インターネット)と放送の融合を進める必要があるように思います。

安倍政権は、官邸主導で放送規制改革を巡る議論を本格化しており、すでに地上波テレビ関連法が撤廃になるそうです。
「公正・中立な報道」と言うものは不可能だ・・というのがアメリカなどの報道に対する姿勢であり、さまざまな偏向報道を許容して、その上で視聴者が判断するしかない・・というのが中共を除く世界の流れのようですからね。

立憲民主党の辻元清美国対委員長が、佐川宣寿前国税庁長官の証人喚問について「国民の期待を裏切るような証言になっているのではないかということで残念に思っている」と述べ、さらに「自らトカゲの尻尾になろうとしている。すべて理財局で完結をさせて幕引きを図ろうとしているという意図を感じた」などと述べております。

国民の支持率が下がっていると言うことで、「国民の期待を裏切るような証言」という言い回しをしたのでしょうが、これは「国民の期待に合わせて嘘を言え」と言っているようにも聞こえませんか?
例えば「首相の立場を忖度した」というような発言をさせようと言う・・

また、週刊文春は「森友ゲート・これが真実だ『安倍夫妻の犯罪』」という記事まで書いております。内容も「名誉棄損」に十分該当するようなもので、今後安倍首相側が訴訟するであろうことが予想されます。

このような情報が際限なく報道され、その結果の支持率低下であることは間違いありません。ですから安倍首相は「あわてるな、これはチャンスだ!」と周辺に語っていたそうですね。

このチャンスとは、「安倍政権に対する反安倍勢力を明確化するということ」「野党とマスコミのはしゃぎすぎを有権者に見せる事」「財務省に消費税10%とPB黒字化を止めさせること」の3つではないでしょうか。

ともかく27日の佐川前長官の質疑では、今回の改竄事件に「安倍首相夫人の関与などなく、また安倍政権側からの関与も一切ない」という証言が得られたわけです。

後はいかにして支持率回復を目指すかという問題が残されていますが、週間文春を告訴し、さらに放送規制改革を官邸主導で進めていくことが必須ですね。
また、4月にトランプ大統領との会談で北朝鮮問題が進展することが期待されています。拉致問題に解決の兆しが出てくれば支持率は上がるでしょう。

また、5月にはプーチン大統領との会談も予定されています。北方領土に新たな展開があり、対中包囲網にロシアを参加させることが出来れば支持率が上がるように思います。

北朝鮮の金正恩委員長が中共を訪問したというニュースが流れています。安倍政権が行ってきた日米の経済制裁が効いてきたのでしょう。トランプ政権は安倍首相の分析や見通しを高く評価していると聞きます。

北朝鮮が今後どうなるのか、中共の傘下に入るのか、それともトランプ・プーチン会談でロシアの傘下に入るのか、いずれにしても日本にとっては穏やかではない問題ですが、経済協力は日本でなければやらないことは明確です。

核の撤廃が完結し、拉致問題が進展すれば日本はいやでも北朝鮮に対して経済支援をせざるを得なくなります。そうしないと中共のお金が出てきますからね。
単にお金を取られるだけなのか、それとも新たな日朝の体制が出来ていくのか・・・いずれにせよ、安倍内閣の支持率アップのためのイベントは4月5月、もしかしたら6月までと続きます。
消費増税とPB黒字化という、財務省の間違った政策を止めさせることが出来れば支持率アップに繋がるでしょう。

支持率がアップすれば、朝日新聞にとっても週刊文春にとっても「辛い現実」がまっているのではないでしょうか・・・

北朝鮮問題は中共問題と同じ

トランプ大統領は5月までに北朝鮮の金正恩委員長と歓談する予定です。会談の場所も会談の内容もまだ決まっていない中、何度も騙され続けてきたアメリカは、会談の後に軍事攻撃をする様相を見せながら、経済制裁はさらに強化する方向にあるようです。

今回の戦争は日米の戦争であって決してアメリカの戦争ではありません。安倍首相の誘導する戦略が生きているようです。
「最初の一発は甘んじて受ける」という安倍首相の国会での発言は、どうやっても先に敵側に撃たせなければならないというアメリカ合衆国の掟・「正当防衛」論から来ているように思います。

もちろん、その一発で北朝鮮は小型核ミサイルの攻撃を受けるわけで、シミュレーションによりますと、戦闘は15分で終わるそうです。実際には判りませんけど・・・

トランプ大統領は北朝鮮を話し合いの場に引きづり出す薬草が出来たあと、対話重視のティラーソン国務長官を辞めさせて後任にポンペオ中央情報局(CIA)長官を当てると発表しました。
マイク・ポンぺオ氏(54歳)は「われわれは以前の政権よりも多くを得ている。われわれの領内まで到達できる核兵器とそのミサイル計画のテストを続行しないという合意だ」と述べております。

もしかしたら日本に届く核ミサイルは容認するのではないかという疑念が出てきますが、ポンペオ氏はイランに詳しいCIA長官でもありました。
北朝鮮とイランの繋がりもあり、イランに流れた核兵器はシリアに渡され、そしてそれはイスラエルへの攻撃兵器になることは明らかだとか。
つまり核拡散を容認することは出来ないトランプ政権は、必ず北朝鮮に核の完全撤廃を求めるだろうということです。

しかし、アメリカ内部のユダヤ、キッシンジャー氏の閥であるディアスポラがイスラエルの消滅を望んでいるという事情もありますから、油断は出来ませんけど。

核の撤廃を要求されることが判っている北朝鮮は、核施設を多国に移すことが急務となります。それがどこかは判りません。そしてそれをアメリカのステルス無人機が監視して捕まえ切れるかどうか、このような戦いが現在繰り広げられているようですね。

そしてトランプ大統領は、国家安全保障問題担当補佐官のマクマスター氏(55歳)も解任し、変わり元国連大使だったジョン・ボルトン氏(69歳)を起用しました。
ボルトン氏は、「真の目的は北朝鮮の非核化であるべきだ」と述べ、「もし北朝鮮が(非核化に向けた)真剣な議論をする用意がないのであれば、会談は極めて短時間で終わるだろう」と北朝鮮に向けて警告を発しています。
そして北朝鮮との会談については「北朝鮮はこれまで、交渉を核・弾道ミサイル開発の隠れみのに使ってきた。同じ策略に再びはまってはならない。それができないのであれば、会談は時間の無駄だ」と述べたそうです。

こうして北朝鮮包囲を着実に進めるトランプ大統領ですが、この問題が実質は中共対策であることも忘れてはいないようです。
3月18日、プーチン大統領が再選されると、すぐにプーチン大統領に祝意を表し、「プーチン大統領との会談をする」ような発言をしています。
米露関係が好転すれば、これは中共にとって脅威です。すでにアメリカは中共の経済を締め上げるべく「アルミと鉄鋼などの輸入制限」を発動しました。日本も対象になって追加課税は鉄鋼に25%、アルミに10%です。
トランプ米大統領は安価な製品の大量流入を「安全保障上の脅威」と認定し、通商拡大法232条に基づく関税適用となったわけです。

4月の首脳会談では、この関税、日本を適用除外とするように要求するのでしょうか。それは判りませんが、ともかく北朝鮮への経済制裁はさらにゆよmねていくことになるように思います・
そして中共に対しても、この「アルミと鉄鋼などの関税」を押し出すことを支援することになるでしょう。

北朝鮮問題はすでに中共問題へと進化しつつあります。拉致被害者問題は北朝鮮の出方を見ながら対応することになると思います。
拉致された人たちがどこでどのような生活をしているのかは判りません。先ずはその情報が入るかどうか、すでに事態はそこまで来ているようにも思います。

そして5月の日露首脳会談では、日露の経済協力の方が優先的に話し合われるのではないでしょうか。
すでに北方領土問題はロシアの「中共の侵攻を日本は阻止できるのか」という一言でひっくり返されています。
日本が軍事力で中共を押さえられないのなら、ロシアがそこで軍事的に抑えるしかない・・という常識があるからです。

憲法改正には中共の支援する野党が森友問題で気勢を挙げ、国会が選挙されてしまった状況です。安倍首相はそれでもこの首脳会談を乗り切れるのでしょうか。

中共が必死になっているこの時期、ともかく安倍首相には頑張ってもらわないと・・・

アメリカの対中政策転換

ジョージ・ワシントン大学のロバート・サター教授は、「米中関係が歴史的な変革を迎えた」と述べました。
このサター教授は、アメリカ歴代政権の国務省や国家情報会議で中共政策を30年余、担当した方です。

サター教授は産経のインタビューに対し、「トランプ政権や議会が一致して長年の中共への協調を基本とする関与政策を止める形で新たな対中対決政策へと踏み出した」と述べたそうです。

そしてその理由として「米中国交樹立以来の『中共との協力分野を増やしていけば、中共はアメリカにとって利益となる方向へと変わる』という前提に基づく関与政策がアメリカをむしろ害することが明白となったからだ。」と述べ、「トランプ政権が公表した最近の国家安全保障戦略や国家防衛戦略もこれまでの姿勢を変え、中共を競合相手、修正主義勢力と断じ、『アメリカの価値観に反する』として対決や警戒を中心に据えた。これら厳しい表現は政府レベルで中共に対して使われたことはこれまでなかった」とかなり強行な政策変換となっていることを表明したようです。

そして今回の「全人代」での習主席の演説を指して「中共の戦略的な動向や意図の本質が明確になったことだ。中国共産党政権はまずアジア太平洋で勢力を強め、他国に追従を強いて、アメリカをアジアから後退させようと目論んでいる。『中共の夢』というのはグローバルな野望なのだ。アメリカ主導の国際秩序を嫌い、それに挑戦して、アメリカの弱体化を図る。軍事、経済、政治などあらゆる面での中共政府の動きがアメリカを敵視しての攻勢なのだ」と述べ、これまでの政策が失敗だったことが「あの演説」で判ったと言う事のようです。(安倍晋三の言った通りだった・・)

これまで気が付かなかったのか・・という質問に対して「いや基本的にアメリカの国益をすべての面で害するという中共の挑戦が明白になったのはこの1年半ぐらいだといえる。南シナ海での軍事膨張、貿易面での不公正慣行、国際経済開発での中共モデルの推進、国内での独裁の強化など、みなアメリカへの挑戦なのだ。私は2009年ごろから中共のこの基本戦略は認識していたが、オバマ政権下ではなお中共との協調こそがアメリカを利するという政策が主体だった」と答えております。

そして「最近の習近平国家主席はロシアのプーチン大統領と緊密に連携し、アメリカの力を侵食する手段を画策している。軍事面をも含めてだ。」とアメリカの危機感を述べ、「現代版シルクロード経済圏構想『一帯一路』も中共のパワー誇示の野望の一環だといえる。インフラ建設ではあまり実体のない計画をいかにも巨大な実効策のように宣伝する。情報戦争と呼べるプロパガンダなのだ」と習政権を批判しました。
その新対中政策では「日本との連帯への期待も大きい」と述べております。

「アメリカは総合国力を強くして中共を押し返さなければならない。アメリカが本気で押せば、中共も慎重になる。アメリカはその際に日米同盟への依存をも高めることになる。安倍晋三首相は中共の本質をみる点で優れている。トランプ大統領も対中政策では安倍氏から学んでいる。」と述べました。

そして中共の最近の行動について「中共の膨張戦略はたぶんにアメリカがもう弱くなってきたという認識から発している。」と分析し、「アメリカ側では中共のその認識がわかり、中共には対決をも辞さずに強固に立ち向かわねばならないという思考が強くなったのだ。この思考はトランプ政権だけでなく議会でも超党派の支持がある」と述べました。中共にそう思わせたのは、オバマ前大統領が「世界の警察官を止める」などと言ったからですね。

このアメリカの政策転換に対して、習主席は「中共は貿易戦争を望まないが、戦いを恐れない。いかなる挑戦にも対応する自信と能力がある。アメリカによって貿易戦争が引き起こされれば、自らの正当な権益を守るため、あらゆる必要な措置を講じて最後まで戦う」と述べました。(人民元はドル経済圏のひとつのローカル通貨だってわかっているのかな?)

トランプ政権の鉄鋼とアルミニウムの輸入制限の発動について、「正常な国際貿易秩序を著しく阻害するものだ」と述べ、中共による知的財産権の侵害を理由に通商法301条に基づく対中制裁措置を決めたことに対しては、「典型的な保護主義のやり方であり、中共は断固として反対する」などと述べています。
しかし経済的に行き詰っている中共・習政権の本音はアメリカとの貿易摩擦は避けたいところ。そこで「中米両国は世界の二大経済大国として協力こそが唯一の正しい選択だ。双方が意見の違いをコントロールし、健全で安定的な経済・貿易関係の発展を促進することを希望する」などと謀略を駆使できる「話し合い」を求めております。

トランプ政権が安倍晋三首相の意見を大きく取り入れていること、つまり中共の真実がばれてしまったことを重く見て、何とか安倍を引きずり降ろそうと躍起です。

二階幹事長と公明党の井上義久幹事長(親中派)が中共で何を言われてきたのか・・・それから現在の森友公文書書き換え問題が忙しくなっています。

マスコミはほとんどが中共の意思が反映されます。NHKとかテレビ朝日などは見ていれば解りますね。しかし判らない日本国民が多いらしく、支持率が下がっています。

アメリカの対中政策転換は中共経済にとっては命取りになる可能性も含んでいます。だから必死の謀略を使うでしょう。

それにしても安倍卸しの切り札が、収監されている詐欺師と首になった変態公務員とはね・・・