ロシア新型ミサイルへの疑問

ロシア・プーチン大統領の、年次教書演説の中に出てくる「驚異の新兵器群」について、アメリカの専門家らの間には「使い古された技術」という疑念が浮かび上がっているそうです。

射程が11万キロというICBM「サルマト」は、おそらく2016年10月にロシアの開発メーカーが既に自社のホームページで開発の実態が公表された「RS28サルマト」のことであろうということです。

また、低空を飛ぶマッハ10の巡航ミサイルですが、原子力エンジンで「無限の射程距離」を獲得し、低空を飛ぶことで北大西洋条約機構(NATO)や米国、日本の迎撃システムによる迎撃可能エリアを大きく迂回して目標に到達するという脅威の兵器です。

さらに、同じような推進器を使って、潜水艦から発射され、通常の潜水艦では潜れないような深海を航行する無人機も作ったそうです。
スピードは潜水艦より速く、目標艦船に回避の時間を与えず、核弾頭を搭載すれば港湾など陸上施設の攻撃も可能という恐ろしい兵器です。

いずれも長射程の原子力エンジンが中心になっていますが、原子力エンジンと言うのは、ググればすぐに判る通り、核熱ロケット推進のことだと思われます。小型の核熱反応炉に直接推進剤(通常は水素)を当てて加熱膨張させ、ノズルから噴出して推進する方式で、ソ連では1960年代から1980年代にかけて研究されていたそうです。
核パルス推進というのもあるそうで、これは小型原爆を破裂させながら推進するというバカバカしいエンジンです。

とはいっても、ロシアは先進国であり、粘り強いロシア人気質でかなり実用化に成功しているのかも知れません。
油断は禁物ですが、技術アイディア的にはあまり面白くなさそうですね。

つまりMDシステムに対してマッハ10以上のスピードで突っ込まれた場合どうするか、その条件がロシア・プーチン大統領から突き付けられたわけです。
現在のところ、プーチン大統領の言い分が事実なら、我が陣営はお手上げです。もちろん次の研究開発が膨大な予算と共に始まることになりますけど。

しかし、このようなプーチン大統領の言動は、18日に控えた大統領選挙に向かったものであろうと、我が陣営は見ているようです。
弾道ミサイル迎撃システムは、イージス・システムとSM3ミサイルの組み合わせ、陸上版のイージス・アショア、高高度防衛ミサイル「THAAD」、比較的低空での迎撃を受け持つPAC3があります。
こうした防衛兵器で核攻撃が防御され、核ミサイルによるバランスが崩れ、ロシアだけが防御出来ない事態を避けるためのプロパガンダなのかも知れません。

ロシア国防省は3月10日に、速力マッハ10、航続距離2千キロとされる極超音速核ミサイル「キンジャール」の発射実験に成功したと発表し、映像を公開したそうです。
ミグ31戦闘機から発射された映像だそうですが、プーチン大統領は「米国のミサイル防衛(MD)網を突破できる」と自信をを持って話したそうです。

以前からロシアはアメリカのMD構想には大反対で、昨年も河野太郎外相とラブロフ露外相との会談で、日本が進めるミサイル防衛(MD)システムの強化にロシア側が強く反発していました。

これはMD構想がいかにロシアにとって不愉快な構想であるかと言うことです。
つまり、プーチン大統領が打ち出している超音速ミサイル構想は、莫大な費用が掛かるMD構想よりも安くそして強いメッセージになる構想なのだと思います。
そしてこの新兵器群はむしろロシアの限界を示しているというのが我が陣営の見方のようです。

高度な電子装備やミサイル誘導、そしてその実用化といった面では、もはや同じ土俵に立つのは不可能になってしまったロシアを象徴するものだと見ているようです。

このロシア・プーチン大統領の取っている核偏重防衛構想は、1960年代にはアメリカにも存在していたと言うことです。
しかしこれらの兵器は爆発後の放射能汚染などはまったく思想に入れていない兵器で、しかもそれを作った後の管理体制が大変であり、結局実現させられなかったものだとか。そういう意味で危険な兵器なのだそうです。

このような兵器をロシアは過去にも作り、幾多の失態を世界に見せてきたと言います。

原潜K-8が原子炉の蒸気発生器の故障を起こし乗組員13人が重度の被曝にあったのが1960年、K-19の原子炉事故により被曝で21人が死亡したのが1961年、K-27の原子炉事故で142人が被曝、10人死亡したのが1968年、アルファ級原潜で原子炉のメルトダウン事故が起きたのが1970年、ウラジオストク南東100キロで中共の潜水艦と衝突し沈没、現場近辺では高濃度の放射線レベルが計測されたのが1983年、原潜クルスクの大事故が起きたのが2000年8月でした。

このようなロシアが再び核を中心にした新兵器軍を作るのですから、日本のサヨクは反対運動をロシアに向かってすべきなのですが、それはしません。そしてMD防衛網に反対するのです。

日本は黙々とMD防衛網構想を強化していけば良いでしょう。
MD防衛網構想は現状の憲法にも違反はしていませんし、技術的にもチャレンジ性が高く、ステルス航空機を先に捉えロックオンすることが出来るシステムなども開発中だと思います。

ともかく、国防の要は常に技術的優位性を保つこと・・それにつきますからね。

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