東京地検特捜部が踏み込んだ事件で、マスコミが騒ぐのは、それが安倍政権の退き卸に使えるのではないかという思惑があるからでしょう。
疑いが賭けられているのは、「鹿島建設」、「大成建設」、「大林組」、「清水建設」の4社で、大林組と清水建設は談合を認めてしまいました。
従って大成建設と鹿島建設の幹部が独占禁止法違反容疑で逮捕されてしまったのです。
独占禁止法には課徴金減免(リーニエンシー)制度と言うのがあり、“自首”するかどうかで判定後の課徴金が減免されることから、大林組と清水建設は談合を認めたのでしょう。
鹿島建設は、独占禁止法違反容疑で逮捕されたリニア担当部長・大沢一郎氏を通して大成建設元常務執行役員・大川孝氏へ品川、名古屋両駅工事の入札から撤退すると伝えていたとか。
これは品川、名古屋両駅の新設工事について、採算が合わないなどの理由で「鹿島は入札から降りる」などと受注の意思がないことを大川氏に伝えていたことになり、これが談合だと言う訳です。
大成建設の大川氏がが、品川駅新設工事の一部の受注を目指す準大手ゼネコンの担当者に、入札からの撤退を要求していたとか、入札でJR東海の予算を大幅に超える千数百億円を大成が提示し、他社もこれを上回る価格を提示し大成の受注に協力したというような記事がマスコミから流れています。
いづれも1000億円を超す見積額で、特捜が「JR東海の予算を大幅に超える額」と言ったところで、その見積もりが暴利をむさぼっている物かどうかは判るはずありません。
リニア新幹線は世界のどこにもない技術の構築であり、受けるゼネコンも様々な工法試験などの費用も含めていると思われますから。
もちろん駅舎などで既存の技術で済むところもあるでしょうが、このような開発の場合は利益よりも「損を出さないようにする」ことが優先されるのではないでしょうか。
どうしてもこの談合疑惑には釈然としないところがあります。
特に、東京地検特捜部という所の問題です。1947年にGHQの声係で作られた特捜部は、政財界を巻き込む大きな汚職や不正、脱税などの事件を専門に捜査する検察庁の部署ですが、どうもアメリカの意向によって動く傾向があると言います。(真偽は解りませんが)
確かにロッキード事件やリクルート事件などを見ますとアメリカの工作があったようにも感じます。
その東京地検特捜部が大成建設と鹿島建設を取り調べ、準大手ゼネコンなどの証言を特捜部を通してマスコミに流すわけです。
大成建設の大川氏などは、「技術的な情報交換をしていただけ」とか「JR東海の意向が強く働いていたケースもあり、もともと自由な競争ができる環境ではなかった」などとのべているそうです。
しかし特捜部は、「いまだに『談合は必要悪』と言っているのか」とあきれているそうです。しかし談合を悪としたのはアメリカであって我が国ではないはず。
「日本の企業だけで談合し落札する順番を決めている」と言いだしたのはアメリカのゼネコンであって、理由は日本の工事を請け負いたかったからです。
確かに日本の入札には競走入札という感じはあまりなく、順番に落札が出来るように考えた自由競走市場の日本的な扱い方です。
また、例えば皇居周辺の工事などに「1円入札」などと言うのもありましたね。
談合が悪い事なのかどうか、それは我々に右本国民が決める事。フェアな入札は比較的完成された技術であれば可能かも知れませんが、開発中の技術で、どうするかを決めるためには談合も必要・・というゼネコンの言い分も解ります。
新規参入者がなかなか談合グループに入れないなどの、既得権の問題点を克服していけば良いように思うのです。まあそれは談合ではないと言われればそうかも知れませんが。
そして一番気になるのが、このような開発技術を含むプロジェクトで、安さを狙って公開入札というのも、技術の漏洩に繋がりかねないように思います。
何だかんだと言いながらも、リニア新幹線の技術はアメリカも中共も狙っています。そういうことも勘案して、特別捜査をして欲しいですね。