この海上ブイの設置は、平成28年にも行われ、その目的はこの海域の領有を既成事実化する狙いがあるとみられております。
我が国がいくら抗議をしても、中共は軍事力なき抗議など聞こうともしません。日本の憲法やそこから派生する防衛各法律を知り尽くした中共の侵略と言わざるを得ないでしょう。
安倍政権も、憲法改正を目的としたさまざまなアイディアで対抗してきましたが、国内の政治勢力が中共寄りが強いためかなかなか軌道に乗りません。日本国民も現状維持で近未来のことを考えようともせず、安穏としております。
危機感を募らせているのは自衛隊幹部やOBで、今回の財務省の防衛費削減で「尖閣どころか、もう沖縄も守れない」という状況になってきました。
この様子に危機感を持つもう一つの国がアメリカ合衆国です。
アメリカにとって、尖閣周辺は中共が太平洋に進出してくる入り口です。台湾、尖閣海域と中共が狙うのは太平洋への覇権が目的だからです。
それに対抗するには、今のうちに対中攻撃を開始した方が良いわけで、それが経済戦争から実力行使のチャンスを狙う形に変わっているわけです。
もともとオバマ民主党政権が「アメリカは世界の警察官から降りる」宣言をしてしまってから、キリキリしていた共和党です。
その8年間で中共はサンゴ礁は埋め立てたり、F35のコピーを作ったり、巨大空母を作ったりたりと、ほとんどアメリカの技術を盗用した開発をじっと我慢して見ていなければならなかった共和党でした。
どんな方法を使っても政権を取り戻したい共和党が選んだ候補がトランプ氏だったわけです。トランプ氏の独特の話術でアメリカ国民の心情を捉えたトランプ氏が共和党の政権奪還を成功させ、その後1年間、中共の様子見を行いましたが、もともと太平洋覇権を狙う中共の追い落としが目的だった共和党が、米中戦争に踏み切るのは時間の問題だったように思います。
そしてアメリカは台湾に対して台湾旅行法を作り、そして台湾に米国在台協会台北事務所を作りました。事実上のアメリカ大使館です。
しかし現在、民進党の蔡英文総統の求心力が低下していて、11月24日の台湾統一地方選挙が心配されております。
選挙前にはアメリカも中共も静かにしていた方が良いようで、今の所際立った動きは出ておりません。
しかし尖閣諸島は日常的に中共の公船がやってきております。アメリカにとってこちらの方が手っ取り早いのかも知れません。
アメリカ国防総省でアジア太平洋の安全保障を担当するシュライバー次官補が、尖閣諸島周辺で活動を活発化させている中共の海警局の公船や中共の軍系民兵が乗り組んだ漁船に関し、「中共の領有権を主張して日本を圧迫する目的で活動しているのであれば、中共海軍の艦船と区別しない」と述べ、厳然と対処していく姿勢を強調しました。産経新聞のインタビューに答えたものです。
そして「尖閣諸島は日本の施政権下にあり、日米安全保障条約(第5条に基づくアメリカの対日防衛義務)の適用対象であり、アメリカは同盟国として日本を支えていく」と言明し、「中国船の船体の色(海軍の灰色か海警局の白色か)よりも、これらの船の任務や目的が何かに関して最大の懸念を抱いている」と指摘しました。
その上で日本による尖閣防衛に向けた取り組み強化を支援していく姿勢を強調しながらも、日本が年末に策定する2019年度から5カ年の中期防衛力整備計画(中期防)の内容を「注視している」とも語ったそうです。
またアメリカにとって、「沖縄には米軍基地がある。アメリカがアジア全域で懸案を抱える中、米軍の前進配備と現地での訓練・演習を可能にしている点で決定的に重要だ」と、アメリカとしても放置できない問題であることを訴えました。
このシュライバー次官補の語ったことが、アメリカの国家意思であるならば、今後尖閣周辺に出没する中共の公船や民兵の乗った漁船などは、アメリカ軍に攻撃の大義を与える切っ掛けともなりうることを示唆したようにも思います。
それと同時に、中共が設定した第二列島線上にミサイル搭載艦船を配備し、南シナ海のサンゴ礁上に埋め立てて造ったおかしな海軍基地を中距離ミサイルで叩き、海南島海底にある原潜基地から出て来る潜水艦に狙い付けた水中戦闘を意識した作戦計画を準備しているそうです。
トランプ大統領は、G20で習主席と会談し、関税攻撃を緩めるかも知れません。しかしどうせ中共はそこで取り交わした約束など守るわけもありません。
それを見越した作戦で、その後更なる経済制裁を掛け、どこまでも中共側の軍事侵略を開始させようという戦略でしょう。
アメリカ政府は、日本やオーストラリア、ドイツ、イタリアに中共の通信機器大手「華為技術(ファーウェイ)」の製品を使わないように求める説得工作を始めたとのことです。
中共製の高速大容量の第5世代(5G)移動通信システムが普及することを強く警戒した内容で、「アメリカおよび同盟諸国と中共のどちらがデジタル網でつながった世界の支配権を握るかをかけた『技術冷戦』の一環だ」と言うことですが、ドイツやイタリアは呑むでしょうか?
アメリカが中共潰しに本気になってしまったのは、ローマ法王に対して習政権の迫った「司教選出への妥協」だと言うことです。
ペンス副大統領がウイグルにおけるイスラム教弾圧と臓器移植について言及したのもこの直後でした。
米中戦争は、こうして宗教戦争にもなってきたわけです。ですからもう後戻りはできません。