ドゥテルテ大統領のやり方

フィリピンのマニラ市に建立された慰安婦像が撤去されました。現場には大きな穴が空いただけです。

この像を建てたのは政府機関「フィリピン国家歴史委員会」で、現地の民間団体などの支援を得て建てたというふれ込みでした。それは昨年12月の出来事です。
この場所はマニラ市の中でもマニラ湾に面したロハス通り沿いのベイウォークと呼ばれる遊歩道上で、夕日を眺める名所として観光客も多く、周辺にはフィリピン政府庁舎や、日本を含めた各国大使館がある場所でした。

建設直後から、在フィリピン日本大使館はフィリピン政府へ抗議し、野田聖子総務相はフィリピンを訪問し、首都マニラでドゥテルテ大統領に「こうした像が唐突にできるのは残念だ」と伝えていたそうです。

この政府機関「フィリピン国家歴史委員会」と言うのがどのような団体かは知りません。しかし現地の民間団体と言うのが曲者で、どうせこの中に中華系の団体があって、中共の指示でお金を出していたのだろうと推測できます。
南京大虐殺の真相が次第に表面化していく中、代わりの「日本軍を貶める」題材として慰安婦に注目していた中共の謀略という見方が強かったようです。

建立後マニラ市に寄付するなどと言っていた団体ですから、事後通告で押し付けるつもりだったのかも知れません。像のデザインは韓国の物とは異なり、慰安婦問題を象徴する女性像になっていました。
ですからドゥテルテ大統領も気が付かないうちに進行していた「反日侮辱像」だったと思われます。

この像設置の舞台裏を見ていきますと、現地の華人団体「トゥライ財団」という集団が浮かび上がってきます。この像が設置され、除幕式が12月8日でした。そして同日付けで中共国営新華社通信(英語版)で「日本の兵士からレイプされた何千人ものフィリピン人女性は特に、戦争の苦痛を味わった」という記事を配信しています。
日本政府からの最初のクレームは12月12日ですから、その前に中共国営新華社が知っていたと言うのは、中共政府が主体的に動いていた証だと思います。

フィリピンは華僑が経済面を握っていて、なかなかドゥテルテ大統領も手出しが出来ない状況にあるように思います。そしてその華僑ネットワークを通じて中共政府の巧みな裏工作が行われていたようです。
今回の慰安婦像設置も、何とか中共の存在を表面に出さないでフィリピン国民の手で行われたように見せようと言う思惑が各所に見られます。

ともかく習政権は日本の再軍備に恐怖すら感じているようです。それは安倍政権が「憲法改正」を打ち出し、さらに中共包囲網を作っているからだと思いますし、何とか反日感情を鼓舞し世界の「日本悪玉論」を徹底する戦略に出ているように見えます。(日本サヨクも、日本の野党も乗っかっていますね)
しかし表側から攻めますと反発が強く、反中感情の方が大きくなってしまいそうで、従って裏側から謀略を使った、華人の言う「頭の良いやり方」で「日本侮蔑」の展開をしたいのでしょう。

今回の像建立も、フィリピン国民の「対日憤怒」が建立したと世界に思わせたかったのだと思います。
しかしフィリピン国民にはそんな対日憤怒感情はありませんので、裏側では華僑が必死に蠢いていたのではないでしょうか。

ドゥテルテ政権は反米親中のように見えます。ともかくアメリカが大嫌いです。表玄関からやってきて、フィリピン国民を足蹴にして居丈高に統治し始めたアメリカ。そしてそれを一時追い払った日本軍・・という歴史観を持っているのだと思います。
そして現実にはフィリピン経済を牛耳る華僑には対抗できず、それが親中という表面上の顔になっているように思います。

先の戦争で日本軍はアメリカに負けました。しかしその戦い振りを先達から聞いているドゥテルテ大統領の心象に反日はないはずです。
ようするに現在のフィリピンは「日本がしっかりしないし、日米同盟でまたアメリカがやってくる・・」というジレンマにあるのではないでしょうか。

それを身体で表しているドゥテルテ大統領。日本国民として何とも申し訳ない様な気がいたします。
ドゥテルテ大統領は、何も言わずにいきなり慰安婦像を撤去しました。近所の人が「何をしているのか」と工事人に尋ねると「水道工事」と答えていたそうです。そして大統領は、これからも何も言わないでしょう。言う必要もないからです。
ですから日本政府も大統領に変な感謝などしてはいけませんね。「フィリピン政府には強く抗議した。像を撤去したのが誰かは知らない。ただそれによって日比関係は何も揺らがない」とだけ表明すれば良いのではないでしょうか。

今後行われるであろう日本のフィリピンに対するODAは、フィリピンへの援助というだけではなく、フィリピン華僑との「対中経済戦争」の一環であることを我々日本国民も心しておくべきだと思うのです。
現在、経済は単なる「金儲け」ではなく、経済という場に移された「戦争」であると認識すべきではないでしょうか。

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