総合テレビの番組とEテレ(昔の教育テレビ)の中で、著作権などの処理が済んだ番組のみを放送する予定だそうです。
この同時配信テレビは、放送の受信契約をしている人が追加負担なくスマートフォンやパソコンで視聴できる専用アプリによって視聴できるようで、ホームページから利用申し込みを行ってこのソフトを使うことが出来るようです。
この他に放送後の番組を1週間見られる見逃し番組配信や、放送の途中でも冒頭から視聴できる追い掛け再生のサービスもあると言うことです。
テレビが無くて視聴料を払っていないご家庭は、ホームページで申し込んでも拒否されると言う仕掛けのようですね。
それならパソコンやスマートフォンを持っているだけで「視聴料を払え」というヤクザ的商売にはなりませんから一安心です。
NHKがインターネット放送にこだわるのは、視聴料収入だけの問題ではありません。NHKが中心になって開発した4Kや8Kの画像(新CAS放送)が、電波受信ですと暗くなってしまい評判が悪いという問題が出ていました。
ところがこれがインターネット放送ですと暗くならず、外国の放送はすでにネット配信していてこのままでは負けてしまう危惧があったからでしょう。
NHKは技術の進歩としてこのようなサービスを開始しましたが、これが民間放送にとっては命取りになるのは間違いありません。
民放は主として東京などの大都市の放送局をキー局として地方局に番組を配信してきましたが、ネットでの同時放送がなされるとその必要が無くなります。
まあ民放はまだ同時放送は行っていませんから、いままで通りで続行は出来るでしょうが、しかし若い世代はもはやテレビを観ません。ですからスポンサーもネットにシフトしてしまい、技術的ではなく経営的の行き詰ってしまいます。
都市部の放送でも視聴者は激減しているようで、民間放送を牛耳って来た「電通」が大赤字になっています。
電通の営業赤字が808億円になってしまったのです。
若い世代のテレビ離れは、NetFlix, hnlu, AmazonPrime, YouTubeなどで促進され、それにつれてスポンサーとなる企業も、テレビ界からネットにシフトしています。
そしてネット上には、これまでマスコミが協定して隠してきた「ある種の既得権にとって都合の悪い記事」が満載で、玉石混合で視聴率を競っています。
真偽のほどは判らないさまざまな情報が溢れ、視聴者は複数の番組を見て判断するようになってきています。
これまで言われてきた「右」と「左」は、「極左」「リベラル」「保守」「右翼」などよりも細かく分割され、それぞれの立場からの発言が判っていることが必要なようです。
これまでのマスコミのような、丸めた発言でなく、直接的で辛辣な評論が増えています。
このような世界にNHKが入って行くことは、相当の覚悟が必用なのですが、NHKには判っているのでしょうか。
予期しない反論や誹謗中傷も増えるかも知れません。ネットで活躍する評論家たちは、ほとんどアメリカの新聞や中共の新聞、そしてその他の国の新聞などを読んで比較して真相を考えてネット上で表現しています。
NHKのように内部検閲も自己規制もなく表現するネットに対抗するつもりでしょうか。
そしてNHKのこのサイマル配信によって、地方民放が解体される危険も出てきています。それで良いのでしょうか。
インターネットは操作が通常のテレビよりも複雑です。地方の高齢者やデジタル弱者が耐えられるでしょうか。
情報伝達におけるさまざまな方式が今後も出てくるでしょう。少なくともこれまでのマスメディアは終焉を迎えます。
ただしその中から新しい情報伝達の在り方も出てきます。ビジネスなのか、それとも公共サービスなのか、それによっても資金の動きがさまざまになってくるでしょう。
NHKのサイマル配信が今後どのようになって行くか、少なくとも視聴料というやり方は亡くなる様な気がしますけど・・・