安倍政権はよくやってる・・とは?

新型コロナウイルスによる武漢肺炎のパンデミックが始まった日本国内です。初動の失敗やダイヤモンド・プリンセス号の対応など、さまざまな失政が続き、他国の一部から「日本人の入国禁止」という対応まで受けていますが、日本国内の一部の論議に「安倍内閣はよくやっている」という評価も出ています。

産経新聞などの評価ですが、その根拠は「これまでの政権は何もしなかった」ことを挙げています。SARSの時も新型インフルエンザも時の政府は何もしていません。今回の武漢肺炎では安倍政権は必死の対応をしました。ダイヤモンド・プリンセス号に対しても物資の供給や医療の対応なども他国以上に行いました・・と言う事です。

しかし対外的にこのようなアピールをまったくしませんでした。これが日本のイメージを悪くしているだけだと言うことです。
中共などはこの対外アピールが上手で、いかにも共産党政府が一生懸命に対応しているように報じていますが、「感染して死亡した医者は英雄だ。家族には・・」などと意味のない対応を出しています。

中共当局がとった湖北省武漢市の封鎖措置で、現在の武漢市はまるで戦時下の「籠城」をイメージさせる状況とのこと。
肺炎の症状を悪化させながら病床不足で入院できない人々の悲痛な訴えを多く出ています。また「自治会などが整備されていない居住区や、代理購入に必要なスマートフォンの操作ができない高齢者は厳しい状況だ」という声もあるようです。

家族が感染し「一家全滅」を招いた悲惨なケースもあるそうです。
武昌病院の女性看護師(59歳)とその弟の映画制作会社幹部(55歳)が両親の看病をしていましたが、2月初旬に亡くなり、この2人も2月14日に死亡したそうです。

現在、日本でも武漢肺炎は確実に広がっているようです。
安倍政権の対応にも限界があります。つまり公務員の対応では緊急事態には対処しきれないことが明確になったと言うのです。
そう、ポジティブリストとネガティブリストの違いが、これほどはっきりと示されたことは今までなかったのです。

「安倍政権はよくやっている」という評価は、「官僚組織としては・・」という前置きが付くのです。
そして「それでは出来ないことがある」ことを明確に示したということが評価されるポイントのようです。

ポジティブリストで必要なものとは「学習能力」です。そこに書かれていることを覚えて実戦すれば良いだけですからね。教育期間中はこれで成績が評価され、頭がいい人などと言われて公務員になったりします。
しかし学習期間が終わると一般的にはネガティブリストで動かなければなりません。そこには書かれていない事態に対処する術を学ばねばならないからです。人生そのものです。

この期間を昔は「修行」と言っていました。修行は武芸者や僧侶、芸人や職人などが行っていましたが、武芸者は武人(軍人)ですから間違いは許されません。間違えばそれは「死」を意味するからです。

これは決して過去の事ではありません。現在も各国の軍隊が日常的に「訓練」を行っています。この訓練が修行に当たると思います。
訓練は紙に書いた手順をやるだけでは意味がありません。そこから気が付かなかった事態を感じ取り是正していくことを目的にしているはずです。

是正しても再び訓練するとまた新たな欠落が見えてきます。そこで再び是正という繰り返しで終わることはありません。
これがネガティブリストの意味でもあるでしょう。戦闘になれば訓練でどこまで是正されているか、それが決定的に勝敗を決めるでしょう。

「超限戦」になっても同じことです。対外国への発信など、訓練がなされていないのが日本です。
発信がどのように展開していくのか、それを考えて実施して失敗したら是正すること・・これを常に行っていないと負けてしまいます。これが政治の本質で、官僚主義ではなかなか出来ません。
ネガティブリストを作り、それに反していなければ何を言ってもいいと言う訳です。

軍事訓練によって、次期作戦のための新兵器が開発されたりします。「超限戦」では通信システムやデジタル通貨などが新兵器と同様の意味があると思います。

ポジティブリストの中で精いっぱい頑張った安倍政権。しかし他国からの批判は続きます。
他国は日本の対応に失望が強かったからでしょう。それは常識が違っているからです。学習努力で修行を忘れた日本国民が失望を生んだと思うのですけど・・・

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