必死のバイデン候補は、それでもトランプ大統領が仕掛けたバイデン子息のスキャンダル(ウクライナでの賄賂疑惑)でふるいません。
その代わりにバーニー・サンダース候補が上位に出てきました。サンダース氏は明らかな共産主義への傾向を持っています。
さらにエリザベス・ウォーレン女史候補もサンダース氏以上に共産主義への傾向が強い人。そして中道穏健派としてのブティジェッジ氏は同性愛者です。
そして同じ中道穏健のエイミー・ジーン・クロブシャー女史候補が出てきました。超党派を意識した発言や批判を行うため「ミネソタ・ナイス」(控えめで穏やかなミネソタ州の人々の振る舞い)と評されたり、また別には「口の中で溶けて消えてしまう綿飴のような発言が多いことから、「コットンキャンディ・エイミー」というニックネームをつけられてもいるそうです。
もともと民主党はリベラルな政党としての存在であり、アングロサクソンから始まった保守主義の共和党とは異なる存在でした。
リベラルのいう自由は、経済自由主義のようなスタンスで、人間の自由はあまり気にしていません。むしろ人間はお金で拘束出来るという考え方が裏側にあって、それが強いように思います。
ところがサンダース候補やウォーレン候補は、リベラルを超えて共産主義的主張を始めています。
そしてそれが経済格差解消や医療保険制度改革などの大幅な「変革」を求める若者や低所得者層の支持を集め始めたのです。
しかしギャラップが行った全国世論調査では、「社会主義者の大統領候補に投票しない」との回答が53%あったそうです。つまり民主党も共和党も含めて過半数以上が社会主義者(共産主義者)には投票しないということですね。
もともとアメリカ合衆国はキリスト教プロテスタントの国家です。プロテスタントはカトリックから分かれて出来た宗派で、「働いて豊かになることこそ主の望むところ」という考え方です。
欧州で腐敗したカトリック派の牧師が「免罪符」なるものを売って儲けていた時代、オランダにジャン・カルヴァンなる神学者が現れて「予定説」というややこしい説を唱えてプロテスタントを起こしました。
簡単に言うと、「天国に行けるかどうかは、生まれた時から神様が決めている(予定されている)ので、免罪符などを買っても意味はありません」と言う教義を示し、そのうえで「免罪符を買うお金で仕事の準備をして働きなさい。それこそが神が祝福をお与えになる道です」としたのが予定説で「プロテスタント派」というわけです。
カトリックの堕落は免罪符に象徴される搾取システムによるもので、国民をきわめて生産性の低い状況に置いたまま宗教的既得権でのさばっていたわけです。このカルヴァンの予定説は、資本を生産性の向上に役立つように使う思考を生み出します。
まあ、この後しばらくして英国で産業革命が始まるわけですけど。
結局アメリカはこのプロテスタントによって国家を起こしましたから、その基本的価値観として共産主義(既得権によって搾取するシステム)を嫌う訳です。
そのアメリカに、ユダヤ金融が入り込んで産業資本主義を発展させるわけですが、これが「行き詰ったら戦争」という循環を呼んでしまったようです。
共産主義という搾取システムはソビエト連邦崩壊で明確に示され、今また中国共産党によって化けの皮が剥がされそうです。
しかしまだ金融資本による搾取システムは温存されています。中国共産党と金融資本主義の両方の「搾取システム」に攻撃を投げたのが「ドナルド・トランプ」大統領だったわけです。
持ち前の交渉主義で臨むトランプ大統領に、中共は劣勢に立たされます。そして金融資本はその配下のマスコミと民主党左派を使ってトランプ攻撃に終始します。
しかしトランプ大統領の経済政策でアメリカ経済は現在のところ順調。したがって民主党の次期候補達は極端なリベラル、そして共産主義的傾向を見せ始めたわけです。
金融資本主義は。投資による労働システム構築で利益はすべて金融資本が持って行ってしまいます。合理的なようですが、内容は「免罪符による搾取システム」と同じようなものです。
これと同じ搾取システムを中共は目指しています。人民元の世界通貨化から5Gによる暗号通貨まで、すべてこの目的のために研究しているわけです。
そしてアメリカ民主党も、この共産主義による搾取システムになるような演説をしているのが「バーニー・サンダース候補」であり「エリザベス・ウォーレン候補」です。
たしかに医療保険制度や格差解消などは、低所得者層や変革を求める若者には人気があります。しかしこれらが新たな「搾取システム」を生み出す母体になるとは思っていないでしょう。演説をしている候補者たちすら考えてもいないと思います。
共産化してしまえば金融資本側にとっても都合が悪くなります。そこで民主党は穏健派である前ニューヨーク市長であり経済評論家でもあるブルームバーグ氏(77歳)を担ぎ出そうとしているようですが、そうすると穏健派支持者の票が分散し、サンダース氏に有利な展開となる可能性もあるので慎重なようです。
これからどのように展開していくか、アメリカの大統領選挙を注目しましょう。