民主派の圧勝、香港地方選挙

18区から成る香港の地方議会の選挙が11月24日に行われ、中間集計では民主派が253議席を獲得し、親中派は27議席で、民主派が圧勝しています。
香港デモへの中共の悪質な介入もあって、今回の選挙は前回の約147万人の投票者に対して、294万人と二倍に増加したそうです。

そしてこれまで親中派が約7割で民主派が約3割だった議席は、今回の選挙で逆転するでしょう。

1997年に香港が英国から中共に返還されてから始めて民主派が過半数を獲得したと言うことです。そしてこれが香港市民の民意であることがはっきりしました。
この結果を世界の民主主義国はどのように受け止めるでしょうか・・・

アメリカでは「香港人権・民主主義法案」が上下院で可決しています。後はトランプ大統領が署名すれば成立です。

これに対し中共側は、「この香港人権・民主主義法はフェイクであり、これは香港暴力肯定法案だ」などと発言し、「現在香港警察が暴力を取り締まって平常を回復させようと頑張っている」などと述べています。

このアメリカの香港人権・民主主義法を見た欧州でも、例えばオランダの議会で「マグネツキー法」が成立しました。そして英国でもボリス・ジョンソン首相が、ブレグジットが成立した後、すぐにマグネツキー法を成立させると述べています。

マグニツキー法とは、アメリカで成立した法案で「人権の包括的責任に関する法で、人権侵害の疑いのある人物に制裁を科すことを許可する法律」となっています。
ですから欧州各国は、今後これに相当する法を通すということだと思います。

香港デモが収まらないことで、香港行政府が出した「覆面禁止法」が、香港基本法(憲法に相当)に違反するとした香港高裁の判断が出ました。
まだ香港の司法が健在であることを感じさせましたが、その直後に中共の全国人民代表大会(全人代)常務委員会が、「香港の法律が香港基本法に違反していないか判断できるのは全人代常務委だけだ」と、香港司法を否定する声明を出しました。

しかしこれまで中共の韓正副首相は「暴力の制止が香港の行政、立法、司法機関の共同責任だ」などと「三権一体」を言っていたわけですから、御都合主義の中国共産党の、フェイクな法治が露呈されています。

香港デモの暴力化が、香港警察官に化けた人民解放軍兵士によって行われ、それに呼応する形でデモ隊が暴力に走って行ったことは、ネットに上げられた映像で世界が見ております。(もちろん日本のメジャーなマスコミには出てきていません)

中国人の得意とする便衣兵的な警官の暴力を間近に見てきた香港市民は、今回の選挙で民主派に投票したのでしょう。
そしてこのような中国共産党支配に対して「ノー」を突き付けました。

しかしこれは地方議会の選挙です。地方議会はほとんど何の権限も持ちません。中共から指示された法律などを上意下達で市民に伝える役割しか持っていないようです。
あとは生活の細かい取り決めなどをやるだけの議会で、どこまで民主派が香港行政府に対して抵抗できるでしょうか。

「一国二制度」とは、一応香港が中共の領土であることは認めるが、香港の民主主義は向う50年間は守られるものとする・・という取り決めだったはずです。
つまり中華人民共和国は、大陸の共産主義と香港の民主主義の両方を抱え込むことになったわけです。

この時英国は、「中共も豊かになれば民主化する」という神話を信じていたようです。ですから50年経過すれば大丈夫だろう甘い考えだったのだと思います。
しかし結果は、共産主義から中華思想の華夷秩序に流れていきました。アメリカや日本が中共に対し経済援助やら技術支援をした結果、むしろ華夷秩序という人類が退化する方向を中国共産党が取りだしたわけです。

宗教を持てない華人は、金と暴力で世界を支配しようとしています。宗教が無いということは、人肉食も平気で行うことが出来るわけです。その現代版が「中共の臓器移植」です。
アメリカもそのことにやっと気付き、今、ペンス副大統領がウイグル問題として弾劾しています。

「香港人権・民主主義法」が、アメリカの議会をどう動かすか、そしてアメリカ国民がどのような反応を示すか、今後はそこが焦点になってくるでしょう。
また、欧州のどれくらいの国がマグネツキー法を成立させるかも焦点になります。

そして何と言ってもこれからの世界の焦点は、来年1月の「台湾総統選挙」になるでしょう。
台湾の国民も今回の香港地方議会選挙の影響は受けているはずです。
そして今後の中共が香港にどのような対応をするかも注視しているはずです。

その台湾総統選挙は。2020年の1月11日(土曜日)です。

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