東日本大震災から早10年が経過しました。このことで260億円以上の寄付を届けてくれた台湾という国の、蔡英文総統から日本政府に当ててメッセージ(ツイッター)が届きました。
「10年が経ちましたが、その間台湾と日本は一緒にさまざまな困難を乗り越え、その絆はますます強まっていると思います。
犠牲者のご冥福を心より祈るとともに、コロナ禍が早く収束し、東京オリンピックも順調に挙行され、台湾と日本を自由に行き来できる世の中が早く訪れることを願っています。」というメッセージです。
本来は素早く日本の首相が返事すべきだと思うのですが、二階氏の顔色を窺っているのかどうか、他にも理由があるのかなどは知りませんが、菅義偉首相は何も返事を出しませんでした。
しかしこの総統の言葉に返事を出したのは、現在防衛大臣を行っている「岸信夫氏」でした。
「蔡総統、ありがとうございます。台湾は民主主義、人権、法の支配の価値を共有する日本にとって”大切な友人”です。東日本大震災の時、日本が最も大変だった時、台湾が手を差し伸べてくれたことを絶対に忘れません。」という返信です。
この返信に対して、今度は台湾外務省の外交部長である呉釗燮(ジョセフ・ウー)氏から再び返信が来たそうです。
「台湾にとって重要な友人であり、私の長年の友人でもある岸信夫防衛大臣が、今でも台湾に対してこうした思いを持ち続けていることを本当に嬉しく思います。これからの10年も台湾と日本が、互いに助け合い、関心を寄せ合う関係であるよう願っています。」という内容だったそうです。
数奇な運命を辿った台湾。欧州の植民地としては、余りにも狂暴過ぎてどの国も統治出来なかった台湾島。やがて清国の「化外の地」となっていましたが、日清戦争で勝利した日本に「困らしてやろう」という謀略として「台湾」を日本に差し出しました。
その頃の台湾には16の部族が居て、その中の14部族には首狩りの風習がありました。そのために欧州の侵略者は首を駆られ、故に狂暴な部族と感じていたのでしょう。当然清国もうっかり手を出すと首が狩られるので手出しが出来なかったと思われます。
日本統治に反発するセデック族が立ち上がり、日本軍に対して戦いを挑みます。1930年に起きた霧社事件が有名ですが、イザコザはもっとあったでしょう。日本人も何名か首を駆られていますから。
しかし日本軍は怯まず、台湾の統治を始めました。インフラ(道路や上下水道など)を敷設し、マラリア撲滅に衛生管理を現地に教えます。さらに食料生産とさまざまな技術を教え、産業振興を始めて台湾経営を成功させていきました。
命令系統が厳しく、命令どうりに働く日本人を見て、「日本人は犬だ」などという人達も居た様ですが、やがて多くの台湾人は日本に憧れを持つようになり、やがて自分達も日本人であることに誇りを感じるようになった様です。
ところが大東亜戦争に日本が負けてしまうと、その後の台湾は連合軍の思惑が輻輳し、ハッキリしないままに置かれ、そこに大陸から追い出された「◯介石」が居座って「中華民国」などを宣言します。大陸は共産党に乗っ取られ、中華人民共和国を名乗り、正式な中国はどちら側か、冷戦構造の中で東側が北京を、欧米の西側(自由主義側)が台北を支持しました。
やがてアメリカがソビエト連邦を潰すために中共に近づき。中華人民共和国を支持して台湾を見捨てます。そして中共は「台湾は中共の一部である」と言い出したわけです。
アメリカは「民主的に台湾の人々も中華人民共和国になることを望めば良いが、戦争や行く圧に酔って併合しようとした場合はアメリカは併合に反対する」と述べて、再び台湾は中途半端な状態で放置されます。
やがて◯介石氏が亡くなり、息子の蒋経国氏が総統の座に付きます。そこに「李登輝氏」が付いて、彼が台湾独立の道筋を考えます。先ずは台湾を民主主義によって運営する国家にする事でした。そして蒋経国氏が亡くなると、選挙による総統選出を演出し李登輝氏自身が総統に選出されます。民主主義を進める台湾、これはアメリカへのメッセージでもありました。
日米半導体戦争が行われていた時代、アメリカは半導体技術を台湾に持って行き、コストを下げようとしました。日本企業もアメリカの市場が無ければ困るわけで、次第に半導体技術は台湾へ流れます。陳水扁氏の民進党が政権を取ったまでは良かったのですが、その後中共の介在で中共寄りの馬英九政権が8年間も続き、半導体技術は台湾から中共へ流れていきます。
そして台湾に蔡英文政権が誕生し、そしてアメリカはトランプ政権になって、やっと中共の悍ましい戦略が見えてきます。そしてオバマ大統領の時代に多くの最先端技術が中共に盗まれていたことも判りました。世界はこうして反中意識が高まって行きつつあります。
そこから、この危険な中共に対して、インド、日本、オーストラリア、そしてアメリカの4カ国が共同戦線を張ったのがクワッドという4か国軍事同盟です。
日本が中心となるべき「インド太平洋構想( 自由で開かれたインド太平洋の基本的な考え方)」は安倍前首相が言い出したもの。
しかし現実には、軍事力しか相手にしない中共に\大しては、やはり軍事力を誇示しなければならず、アメリカが中心になってしまうようです。(日本は憲法解釈を間違って、軍事をサボっていましたからね)
このクワッドに対して、英国がピボット・アジア戦略に方針を変えて乗り込んできます。TPPに参加したり、クワッドに入ろうとしたり、ファイブ・アイズに日本も入るよう誘導したりしています。
おそらく「日本と台湾が中共の手に落ちたら大変なことになる」と考えてのことでしょう。「台湾には世界最強のマイクロチップを作る技術があり、日本にはフォトニック・コンピューターを作り上げる技術がある。これを中共に持って行かれたら世界が本当に1984世界になってしまう」と考えてもおかしくはないと思います。
この日本にとっての危機は、同時に日本にとってのチャンスでもあるわけです。このアングロサクソン的な戦略に乗って、日本の文化を世界中に知らせていくことが可能だと思うからです。
台湾が日本に敬意を持つのは、戦前の日本の文化を知っているからだと思うのです。これを世界に拡散することは、現在はもう可能なのです。
世界中が日本のアニメを見ていますし、ゲームも知っています。この中に日本文化が少ししみ込んでいます。
中共は間もなく解体されるでしょう。中華思想は文化的側面を持っていないからです。だからこそ今、日本にチャンスがあるわけです。