トランプ大統領がこの法案に署名したからです。
この法案はアメリカ政府に対して台湾を支持する国との関係を強化する一方、台湾と断交するなどした国に対しては経済支援の削減などの措置をとることを求める法案です。
また、台湾の安全保障や繁栄を弱体化させる国との関わりを「修正」することもアメリカ政府に義務付けているそうです。
中共が札束外交で台湾と国交のあった島嶼諸国などを次々と台湾を断行して中共と国交を持つように工作していることは世界中が知る問題です。
インフラ整備などは地元にお金を落とさず、技術者や労働者は中共から連れてきて、借金だけを押し付ける「悪徳高利貸」的な手法です。
しかもこの札束外交で、借金とされた金額はその後の返済不能を見越していて、港湾などを借金の形に奪い取り、太平洋への侵略を進めているいることは衆知の事実です。
これらの島嶼国家などへ、今後はアメリカや日本が資本提供し産業の育成を進めることは、おそらく日米首脳会談で話されていることでしょう。
日米同盟に付くか、それとも中共側に付くか、それを判りやすくする法案が、この「TAIPEI法案」の目指すところでしょう。
このアメリカの動きに対して中共側の耿爽報道官はいつものように同法を批判、「他の国が中共と正常な関係を結ぶことを妨げるものだ」と述べて、そしていつものようにアメリカに対し「内政干渉をやめるように」と求めました。
中共にとって、台湾は中共の一部であり同じ国家ということになります。ですから内政干渉を言ってくるのでしょうが、アメリカや日本は「そういう中共の主張があることは認識する」とは述べていましたが、「台湾が中共の一部である」とまでは外交上述べておりません。
また、あの時(米中国交正常化)アメリカは「台湾の所属については台湾国民の意思を尊重する」と述べており、「台湾国民が民主的な手法で中共の一部であることを認めるならば、中共の施政下にあることを認めよう」とも言っています。
そしてアメリカは「軍事的に融合することは認めない」ともはっきり言っていたはずですね。
1971年から米中国交正常化の動きが始まり、1979年にカーター大統領と鄧小平主席との間の交渉によって国交は正常化したのです。アメリカはこの時の交渉の結果として台湾の中華民国政府と断交しました。
しかしそれから、常に台湾国民の過半数以上が中共の一部ではないことを主張し、5年後の1984年には李登輝総統を選出しました。まあこの時はいろいろな工作活動が入り乱れていたようですが・・・
1997年に英国が香港の施政権を中共に返還します。その時の約束が「一国二制度」でした。
これはつまり、「香港は自由主義社会体制のままで中国共産党とは違う制度で運営される」ことを条件にした返還だったわけです。
これを中共は台湾にも当てはめようと、甘言と資金をつかって台湾に言い寄りました。2008年、台湾はこの甘言に気を許して、総統に国民党の馬英九氏を選出してしまいます。
馬英九政権は北京の指示でなんとかして台湾を日本とアメリカから引き離そうと画策します。アメリカも日本も、この時は「中共も豊かになれば自由主義となるだろう」などという何の根拠もない夢を追っていました。特に日本の財界は売上を上げて利益を増やし、国際的な融資者に配当を多く払おうと中共にのめり込んでいきましたね。
しかし台湾国民は、2016年の馬英九総統の8年間の任期切れを待って民進党の「蔡英文氏」を総統に選出します。
この頃から中共という一党独裁体制の矛盾が表面化し始めており、習近平政権の世界戦略構想が、中共の世界支配であることもハッキリしてきました。
世界の雇用を奪い、1億人の裕福層と13億人の奴隷からなる共産主義体制が世界の工場としてふさわしいかどうかが問われ始めます。
また、アメリカから最新技術を盗み、最先端の軍備を持って世界支配を目指していることも明確になり始めてきました。
アメリカを中心に少しづつ世界の対中外交に変化が見え始めます。そこに武漢から新型コロナウイルスの蔓延が始まりました。
それでもまだ中共のお金を目当てにしている国家群はおりますが、多くの国家は中共に対して警戒を始めています。
そんな変化の中で、アメリカは「TAIPEI法案」を通しました。
中共を第一列島戦内に封じ込み、南シナ海の人工島基地を無価値にして、海南島まで押し返す予定だと思います。
尖閣諸島には来年にもアメリカ軍基地を作る計画もあるようですね。
封じ込みを中共が打破するには、もう軍事的手段しかないことになります。まだ今年は「TAIPEI法案」などで揺さぶりをかけています。
武漢ウイルスが今後どう展開するか判りませんが、来年アメリカは戦争を計画していると思います。もちろん相手は中共。中共が軍事対応をすればアメリカは計画通りに動くでしょう。
中共は来年、共産主義を止めるかアメリカと戦争に突入するか、その選択を迫られる年になるように思います。