5月までにトランプ大統領との会談を予定している北朝鮮ですが、もう騙すことが出来ないと腹をくくったようです。常に敵の敵は味方というスタンスを取ってきた金正恩委員長にとって、これはまたとないチャンスだったようです。
「朝中親善関係の発展や朝鮮半島情勢の管理問題をはじめとする重要な各事項について、突っ込んだ意見交換を行った」とする北朝鮮側の発表ですが、核開発の時間稼ぎには習政権を使う方が得策と踏んだのではないでしょうか。
これで習近平主席の訪朝が6月か7月になれば、その間はアメリカの攻撃はないだろうという作戦です。
中共にいいようにされ、国土は荒れ放題の北朝鮮。その資源は乱開発されて、北朝鮮の利益は失われ、それゆえに叔父の張成沢氏を銃殺刑にして、その上中共と北朝鮮乗っ取りを画策していた兄の金正男氏を毒殺するなど、そこまで中共を嫌っていた金正恩委員長です。
しかし経済制裁によって金委員長の資金が枯渇し始めると、そんな習政権でも利用しようという、さすが北朝鮮の委員長ですね。
表向きは「核の完全放棄」と述べていますが、北朝鮮にとって核とミサイルは輸出商品であり、止めることは出来ないのではないでしょうか。
アメリカは完全廃棄のためにIAEAの査察受け入れを要求するでしょう。それを拒否するための布石なのかも知れません。
査察受け入れが拒否されれば、米朝会談は不調に終わります。経済制裁を一層強めようとしても、中共がそれに加わらなければ制裁の効き目が薄まってしまいます。
そしてトランプ大統領が拉致問題を持ち出しても、「それはすでに解決済みだ」という一言で押し切られるでしょう。
結局拉致問題は我が国の問題であり、憲法改正・軍備と情報戦(スパイ網)の対応力をつけなければ解決は不可能でしょう。「日本型リベラル」が居るうちは無理かも知れません。
http://www.sankei.com/smp/politics/news/180328/plt1803280010-s1.html
結局このようにして北朝鮮問題が米中対決になっていくことは仕方のない流れなのかも知れませんね。そしてこのことから、米露の接近が不可欠になっていきます。
4月の安倍・トランプ会談は、プーチン大統領とトランプ大統領の交渉の下準備という要素が濃くなっていくのではないでしょうか。つまり5月に安倍・プーチン会談が予定されていますから、その後の米露首脳会談の設定です。
北朝鮮が再び中共と結びつけば、ロシアにとって座視できない問題となります。それはロシアと中共の長大な国境線の問題があるからです。
中共の15億の人口圧力の前では、人口600万人のシベリアはもはや風前の灯といった状況なのです。そしてさらに北極海航路の占有問題も出てきます。
北朝鮮が中共と協力関係になれば、中共は北朝鮮の太平洋側の港(羅津港)から北極海航路に向けて艦船を運行することがたやすくなってしまうからです。
これを阻止するには日米同盟を利用するしかないでしょう。
米露首脳会談では、北朝鮮をいかにして中共から引き離すかが議論されると思います。北方領土の進展は、この会談の中でアメリカが北方領土にロシア軍の基地を置くことを容認するかどうかにかかっているのではないでしょうか。(容認しなくても基地は造られますが)
アメリカがあの4島にロシア軍の配備を容認すれば、日露会談ではロシア軍基地付きでの返還に向けた交渉が可能になってくるように思います。(沖縄と同じように、日本に強い軍事力を持たせないように)
もちろんロシアに対する日本の経済支援が大前提ですけど。中共(と共同する日本型リベラル)は大反対ですね。
ここでディアスポラ・ユダヤの動きが気になります。よくトランプ政権の脆さを吹聴する方がおられますが、彼らはアメリカ金融筋の動きを見ているからでしょう。
長い間アメリカ経済を牛耳ってきたユダヤ資本。その連中です。イスラエル・ユダヤとは袂を分かち、国際金融資本として生きていく筋の方々で、トランプ政権に対峙しているグループと言えるでしょう。アメリカのジャーナリズムをも支配しているグループのように思います。
プーチン大統領が対峙しているのも、このグループです。ですからトランプ政権と馬が合うのは当然です。
トランプ大統領がティラーソン国務長官やマクマスター大統領補佐官を排除し、ポンペオ氏やボルトン氏を後任につけたのも、このグループのトランプ政権への影響力排除が狙いのはずです。決して「嫌いな部下の排除」や「忠臣登用」と言う性格のものではないと思います。
しかし、このグループは中共には手が出せません。共産主義原理に戻っていく中共だからです。もっとも裏でつながっていることはあるでしょうが。(裏でナチスを支援したりしていましたからね)
そして世界は、グローバリズムからナショナリズムへと移行し始めていることも事実です。中共、北朝鮮など、国際法無視で軍事力のみを覇権の道具にするために、世界は再び軍事力と戦争の時代へと向かっているわけです。
英国、アメリカ、オーストラリアのアングロサクソン国家に加えて、日本、インド、フランスなどが太平洋での軍事力強化に向けて連合を組みそうな状況が出来上がりつつあります。
ここにロシアが加われるかどうか、そしてドイツがまた反対側に付くように感じます。
この戦争は、現在はまだ外交とサイバー空間で行われています。そして今後の戦争がどのような戦い方になるのか・・・それはまだ誰にも解りません。