米朝対話はどうなるか?

南北会談という韓国と北朝鮮の首脳会談が行われました。北朝鮮には今回の経済制裁処置がかなり効いているらしく、不発に終わった平昌五輪の首脳外交を埋めるための揺さぶり作戦として、文大統領を使った南北会談が企画されたのでしょう。

金政権にとって、何とかアメリカに核保有国を認めさせ、そこで手打ちをするという計画の第一歩として、まずはアメリカ大統領を引きずり出して対話を始めたいというところでしょうか。
しかしアメリカは「朝鮮半島の非核化」が会談の条件であり、しかもその非核化の条件が「完全かつ検証可能、不可逆的な核放棄」ですから、このまま核保有を続けたい北朝鮮が呑める条件ではありません。

そこで北朝鮮は、「非核化と関係正常化のため米国と協議する用意がある」と表明したのです。もちろん検証問題や不可逆的廃棄には触れていませんから、そこをあいまいにしてアメリカを騙そうという企みは見え見えですけど。

この南北対話に対し、トランプ大統領は「初めて全ての関係国が真剣に努力している」とツイッターで述べたそうです。つまり「やっと圧力が効いて来た」という意味でしょう。
そして「ぬか喜びかもしれない」と、騙すたくらみに気付いていることを暗に述べながら、今後も「非核化実現に取り組む」という姿勢は崩しませんでした。

日本政府は、「国連安全保障理事会による制裁決議が効いている」との見方をしていて、安倍首相は北朝鮮の微笑外交にだまされ核・ミサイル開発の継続を許した過去の失態を繰り返さないとの強い覚悟で、トランプ米政権と連携していくと言うことです。

北朝鮮は、この南北会談の合意事項として、「北朝鮮に対する軍事的脅威が解消され、体制の安全が保証されれば」朝鮮半島の非核化を話し合うということにして、議論をすり替えます。
つまり、アメリカの原子力空母や核搭載できるような戦闘機など一切を朝鮮半島付近に寄せ付けず、戦術核を韓国に再配備しないこと・・を前提にして、韓国国内にあるアメリカの施設の査察を求めることもありうると言う訳です。

もともとこうなったのは、北朝鮮が核開発を始め、それを完成させたからであって、それまでは北朝鮮に核の脅威は与えていませんでした。
かつての朝鮮戦争の時も、「核の使用」を訴えたマッカーサーに対してトルーマン大統領はそれを拒否し、マッカーサーを解任したくらいです。
しかし歴代の金政権は執拗にアメリカの核の脅威を訴え続けています。今回の南北合意も、「北朝鮮が核を有するのは、アメリカの脅威があるからだ」と言うように話を逆転させています。
北朝鮮の目的は、核技術の拡散販売にあって、ようするに金政権の利益追及が基本部分にあるのではないかと思います。

北朝鮮の核の「完全かつ検証可能、不可逆的な核放棄」が対話の条件としているトランプ政権ですが、一度持った核は絶対に手放さないことも判っています。
日米同盟の基本は「北朝鮮に対する対話と圧力」ですから、仮にトランプ大統領が北朝鮮との対話に応じたとしても、この基本的取り決めを破ったことにはなりません。

ただ、圧力を今以上に強化し、経済的に締め上げることは、今後も続けることが必要ですけどね。

この経済圧力が、北朝鮮関係の日本の闇グループを攻撃し始めているように感じます。
3月3日に渋谷のマンションから転落し死亡した渋谷区の芦沢一明区議会議員(52歳)は、「日朝友好促進東京議員連絡会」の代表を務めていた人でした。

警察は自殺という判断をしていますが、殺された可能性もあるように思うのです。警察内部にも北朝鮮工作員は入り込んでいるでしょうから。
そう感じる理由は、関係するネットのページに芦沢一明氏のことが書かれていないということからです。新聞のニュースとしては出ているようですが、代表を務めていた方のことが何も書かれていないと言うことが、「何かあったな」と感じさせるわけです。

北朝鮮の工作員が我が国の中に多く入り込み、政界や財界に工作を仕掛けていることは衆知の事実ですが、何らかの失敗、あるいは裏切りがあった場合は「制裁」をしなければなりません。
このような自殺の新聞記事は、同じような工作員を震え上がらせることでしょう。また、北朝鮮からバックペイなどを受け取っているサヨクの政治家や活動家も、「もっと必死でやらないといけない」という気持ちになるように思います。

ですから日本国内における彼らの活動は今後さらに活発化するはずです。

安倍政権は現在パチンコの送金を止めたようです。船を使った「瀬取り」の摘発も進んでいます。それでもまだ北朝鮮へ資金を送るルートは残っているようです。

今後ともしらみつぶしにこれらのルートを立ち切って行く必要があるでしょう。覚せい剤取り締まりも、さらに強化することで北朝鮮への圧力になるはずです。

トランプ政権が対話を始めたとしても、それは裏切りにはなりません。「対話と圧力」が基本ですから。さあ、さらに圧力を高めましょう。

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